【鬼滅の刃】お前ら恋愛下手すぎんだろ。

32話 ページ32

「無一郎君、また一緒にお出かけしましょうね」



「うん、必ずね。」





次はどこへ行こうか、そんな話をしながら時透は甘露寺邸へAを送り届ける所だった。





「動きづらい服を買いにいきましょう」


「別に動きづらさを求めてるわけじゃないねどね」




でも遠出するなら、袴が良いかね。と門の前で談笑していた。






「うーん…なら袴でアイスクリームを食べに行こう」


「ハイカラ〜」


「だね」





素敵、と笑ったAの頬に手を添えて、時透は口付けをした。




「えっ…」





いきなりの事に、大きな瞳を開いて時透を見つめるA。



いや何これもうスタンディングオベーション。躍り狂いたい。









「キッッッ」

「落ち着こう甘露寺、ここで叫んだら終わりだ」


「行動派だなァ」

「ちょっ…伊黒ハンカチ貸してくれ…」

「泣くな気持ち悪い」







くそ、死ぬほど長かったぜ今日まで。後つけて来てよかった…(感涙)






「それじゃあ、おやすみ」


「ぅ、お、おやすみ…！」






小さく笑って踵を返した時透だったが、物陰に隠れて眉間にしわ寄せながら赤い顔を片手で隠している。





なんて青いんだ。もう全国放送したい。






「やだ…涙が止まらないわ…」

「大丈夫か甘露寺…鏑丸も泣くな…」




俺なんて気持ち悪い呼ばわりだぜ、伊黒の辞書に平等っつー言葉はねぇのか。






「ッッーーー…俺帰るわァ」


「ド派手に感動してやがるな不死川」


「うるせェ」



眉間を押さえ、天井を仰ぎながら息を吐く不死川。お前一番感極まってんじゃねぇかよ。









「…冨岡に対しての苛立ちが心なしか消えてきたわァ」



いや派手にすげぇなAと時透の恋愛効果。





「はぁ…俺も家で泣くから帰るわ、Aによろしくな甘露寺」



「はい…」




甘味処では治安の悪さが目立っていたグループだが今はなんて心が美しい事かと。








「はぁぁ…今日は快眠だわ」









___








_







「Aちゃん遂にぃぃぃ！！」


「ちょっと泣いてきますね」


「私もう泣いてます」




俺の嫁からも全面応援されていた為今日の話をしたら全員大号泣になった。



良かったド派手な屋敷で、近所迷惑なんつーレベルじゃねぇからな、主に須磨が。






「これから楽しみだなー」




照れてお互い避けるのも見てぇけどそれは時透が無理だしな、つーか肝心の告白見せろよ時透。









「ん？」









でもそんな幸せは









「緊急招集ー！緊急招集ー！産屋敷邸襲撃！！」





ほんの一瞬のものだった。

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