40話 ページ40
「微分積分でしょー、この問題とかだとー、」
カツカツと問題の横にチョークで回答を書いて振り返った。
「こうなるじゃん、」
「こうなる過程を説明すんだよ教師はァ」
「……あー」
眉間にシワを寄せながら首を傾げれば、不死川先生は乱暴にチョークを奪って途中式と言われるものを書き綴った。
「途中式がねぇと説明できねぇだろーが」
「え、暗算でいいじゃん」
ポンッと答え出るでしょ普通、と問2、問3も問題の真横に答えをポツンと書いた。
「……こいつはダメだァ、憧れる分には構わねーが参考にはするなァ」
「今日の数学科は私なので黙っててください不死川先生」
「はっ倒す」
「ごめんなさい」
物騒だけど黙っててくれる不死川先生にビビりながら教科書をペラペラ捲った。
「この問題分からない人いますかー」
「問3分かりません」
「んー、3行も計算式書いたんだね」
偉い、と少年の頭を撫でながらその式を目で追った。
「ここの符号が逆なのと最後の訳文が間違えてる、そこ直せば合ってるよ」
「マジか、あざっす」
「先生俺も間違ってたー」
「俺が見てやるよォ」
「エ、A先生に頭撫でてほしい」
「俺が撫でてやるからよォ」
罰ゲームじゃん、と笑いながらその子は不死川さんに任せて教卓に戻った。
「宿題はこのページの問1だけ、今日の範囲終わったから解散。質問あったら手挙げる」
「先生物理教えてー!」
「いいよー」
「数学やれよォ」
_
「滑車がこう動くじゃん、赤ペンでイメージ書いてみ」
「あー、なるほど」
_
「パンが無ければケーキを食べればいいじゃない。って?」
「煉獄先生が握手すらしてくれないなら伊黒先生にハグして貰えばいいじゃない」
「もっと無理だろ」
「そういう事」
_
「希ガスって価電子0のめちゃめちゃ安定してるやつだからみんなの憧れの的なの。私みたいな」
「なるほど!?」
_
「これ和訳できねー」
「んー、マイケルが手のひら返してきたんだよね」
「主人公のWhat's gotten into you?ってセリフどういう意味?」
「不死川先生が俺の授業は睡眠時間だぜって笑いながら教室入ってきたらどうよ」
「どういう風の吹き回しだよって思う」
「正解」
_
_
「判明した、あいつは自習向きだァ」
「自習向きってなんだよ」
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せりりん - ほんとだむいさんの作品好きすぎる…なんだろう、文才あるしギャグあり涙ありだし一つの作品で終わらせる(続編がない)からさっと読めるのにたくさんあって飽きないという、最高ですね結婚しますか← 今回の作品も最高でした!次の作品も楽しみにしてます! (7月30日 1時) (レス) @page50 id: d6514bf4b1 (このIDを非表示/違反報告)
せんべえ(プロフ) - 私主様の作品どれも凄く凄く大好きです。心に残る言葉や表現が多くて、、 (7月21日 5時) (レス) @page50 id: 1bdb9a45b6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 面白かったです!1112票目は私がいただきました!番外編も見たい… (2022年3月25日 3時) (レス) @page50 id: 5a944025c3 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - この夢主ちゃんが大好きです!! 番外編作って欲しい…………。 (2021年10月9日 16時) (レス) @page50 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - 逆にこんな面白い話ありますか? ってくらい面白かったです!! (2020年12月16日 20時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月22日 15時