【鬼滅の刃】鬼殺隊のお医者さん。

29話 ページ29

「へぇ…蜘蛛になった人間を戻す薬」









あの後、あまりにも私が可哀想だと大号泣した悲鳴嶼さんが蝶屋敷に運んでくれた。




私の屋敷は隣です悲鳴嶼さん。









「いやまだ蜘蛛じゃないし！全然良くならないし！」




「これを飲んでお日様の光を沢山浴びれば良くなると言っているでしょう！！」






今は勲章の傷を負った若手ズを診にきていた。




このうるさいタンポポが善逸で、側にいるのは裁判にかけられた炭治郎、向こうの猪は伊之助。









「これはただの汎用性のある解毒剤なの？それとも蜘蛛毒専用の解毒剤？」




「毒を見てすぐに調合したらしいです。本当に凄いお方ですよね」









「私だったら蜘蛛化なんてされたらこれ以上広がらないように四肢を切るかもしれない。」



「女医怖ッッッッ！！！」








しのぶさんには頭上がらないわぁ、とその湯飲みを覗き込んだ。






「信じられないほど不味いんですよ！！」




「ふーん。」



「ちょっと！何飲んでるんですか！？」






その独特の香りがする液体を口に含むと、眉間と口角が素直に引きつった。









「あはは、こりゃ不味いわ」





「えっ…よく考えたらこんな美人と間接キス…、飲ませてくださいそれ！！」




「新しいのを持ってきますので少々お待ちください！！」







半ギレのアオイちゃんを見送ってベッドに腰掛けた。



善逸が嫌がるのもわかる、後味が最高に苦くて臭い。



良薬は口に苦しってやつ。









「蜘蛛の鬼強かった？」





「あんまり覚えてないですっていうかあの！すいません！お顔が美して直視できないです！！」



「知ってるー」



「自負してんのもイイ！！」






そこもまた良い、なんて騒ぐ善逸君に微笑んで伊之助君の体をペタペタ触った。







「握りつぶされなくて良かったねぇ」



「………」






スポッと被り物を取ってその顔を伺えば、なんかもう眩しくて目を閉じた。



顔が良いわなんで被り物被ってんのこの子。








「ほとんど隊士は亡くなったらしいし、生き残ってるだけ凄いのかねぇ」






それにしても最近は隊士が死にすぎだと思うけど。









「うへへへ、大怪我したらAさんに手術してもらえるんですかぐへへへ」


「しないでね」






初めてだよ手術にこんな前向きな人間。








「とりあえず、薬飲んでね善逸君」




「はーい！」

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