35話 ページ35
「ここの床、歩くたびにいつも変だと思ってたんだ」
廊下の一部、1mもないところだが、足音が高くなって妙に音が反響するゾーンがあった。
私がそう指差すと、伊之助が床をメリメリ剥がす。
「おっ、いかにも怪しい」
「鬼の巣に繋がる穴だな!」
人の頭くらいの大きさの穴。
「行けそう?」
「余裕だぜ。お前は無理だろうがな!」
ボキボキと関節を外していく伊之助に苦笑いした。
「うん、無理そう」
「良いか!惣一郎はいるけど紋逸はどこにいるかわかんねぇからな!」
見つけたら叩き起こせよ、と言われた。
「え、炭治郎と善逸もいるの?」
「当たり前だろ!」
「当たり前…かぁ」
そっか、そうだよね。当たり前だよね。
3人で来てくれたのか、嬉しいね。
「あとよ、祭りの神もいるからまきを達は大丈夫なんじゃねーの?」
「…あ、今更だけど兄様いるんだ。」
遅いんだよカステラ奢って。
「まぁ、大丈夫だと思ってる。しぶといし」
兄も、その嫁も。
そう私が伊之助を見つめると、バシッと背中を叩かれた。
「そーかよ!
「おうよ、そっちは任せるよ親分」
コツ、と拳を合わせて伊之助は穴の中に、私は外へ駆け出した。
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「ぐはっ…」
「お、大丈夫?」
戦闘の音がする方へ走っていくと、炭治郎が吹っ飛んで来たからなんとか支えた。
「A!?」
「やっほ、苦戦してんね。」
私は炭治郎の前に立って、蕨姫を見つめる。
「化粧を落とせば味気ない顔ねぇ、吉原の物言う花も。あんたは綺麗だし強そうだから最後まで残し_________」
兄様と同じヌンチャク型の刀を一本構えて、抑揚をつけるように距離を詰めてスパッと首を斬った。
「あれれ、蕨姫じゃないんだ。上弦は。」
想像の50倍くらい弱くて驚いたんだけど。
「私は上弦よ!!」
「そう。で?上弦はどこー?」
「私よ!数字だって貰ったんだから!」
「…鬼社会も終焉かな?」
蕨姫が上弦って結構切羽詰まってんだねー、とケラケラ笑いながら首を返した。
「お前…!絶対許さないから!!」
「こっちのセリフだよ、本当勘弁してよ…こんな雑魚の為にどんだけ時間潰してんのって感じ」
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霞(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時