18話 ページ18
「私なんぞいつでも会えるのによく大金積みましたよねー。」
もう知人とあらば着物のまま胡座をかいてゴロゴロ転がって大の字になって寝るよね。
「荻本屋のAが、ってそこらで噂されていて驚いた。」
「なんか化粧したら私の時代到来したんですよねー。」
だからなんだって話んだけど。
「甘露寺が心配している。早く戻れ、こんな街から早く出ろ」
あぁ救急搬送された人ね。
「鬼の尻尾掴んですぐ出るつもりだったんですけど」
これは完全に兄様の計算ミス。
まさか私がこんなに人気が出るとは思わなかったのだろう。
「っていうか伊黒さんはなぜここに」
「煉獄から話を聞いた」
「……なんの?」
座布団で寛ぐ鏑丸を撫でながら訊いた。
「…………」
「あ、もしかして寂しがってるの聞いて会いに来てくれたんですか?」
「隈が酷いな。」
「会話って知ってます?」
考える隙もなく脇腹チョップを喰らい悶絶していた。
鬼殺隊も夜仕事だから寝不足には強い方だが慣れない一対一の会話が苦痛で疲労は5倍に感じる。
炭治郎私とポジション代わって。
「っていうか…お金返しましょっか」
私結構高かったでしょ、と。実際高いんだよ私、とても新米とは思えない稼ぎよ。しかも煉獄さん以外の今までのお客全部気絶してるだけっていうね、可哀想に思えるわ。
「いい、金ならある。」
「今20人くらいの女が惚れたね。」
派手にスマートだ、伊黒さん。
「もう喋らなくていい。」
「何その死に際みたいなセリフ」
「黙ってろ。」
そう片手で口を押さえられて私は白旗を上げた。
喧嘩弱い鬼殺隊員怒涛の1位だと思う。
「俺との契約は明け方6時までだ」
「はぁ…」
「寝てろ」
見てられないねその寝不足の印。と隈をつつかれて普段触れることのない伊黒さんの優しさに触れた気がした(失礼)
「ありがとう、ございます」
そう言われると、体は完全に睡眠モードで。
「おやすみ。」
_____
_
(グァアアアアアア…グッ…伊之助…やめて…)
(うるさい寝言だね、本当手のかかるやつだ)
(たんじろぉぉ…ぜんいつー…フガッ)
(…今度口紅を送ろうか。いや、こいつに色物はまだ早いかね)
3428人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霞(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時