12話 ページ12
「きゃー!可愛いー!」
「様になったねー」
「やっぱり天元様に似て素材が美形ですから似合いますー!」
ゾロゾロと結局全員集まって私は髪を結い上げられて、着物を着て粧し込まれた。
「天元様ー、整いました」
その声でガラガラっと襖を開ける兄様。
「誰だお前!?」
「妹だよ目に焼き付けて」
下向きだった睫毛が視界から消えた。
唇は脂ものを食べた後みたいに艶々で淡紅色。
頬も薄ら桃色で血色がよく見える。
あぁ、健康体になったのか私。
「うわぁ…かっっっっっわい俺の妹、よし任務行くか」
「ラジャー」
雛鶴さん、まきをさん、須磨さんにお礼を言って私はすり足で屋敷を後にした。
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「足痛い遠い何この下駄嫌だもう歩けない」
「運んでやりたいのは山々だが頑張ってくれ」
俺が担いだらはだける。と言われて手だけ繋いでもらって引っ張ってもらっている。
キラキラしてるなぁ吉原…
………嫌いなタイプ。(率直)
「ちょいそこの旦那」
ストン、と肩に手を置かれ、兄様と同時に振り返る。
「その娘、荻本屋で引き取らせて頂戴」
「そりゃあありがたい」
おぉ早速貰い手が。
「あんた、名前は?」
「Aです」
ギョッと兄様に見られて少し困惑する。
刹那、兄様は私を後ろに向かせてコソコソ耳打ちをしてくる。
「本名はねぇだろ…!」
「大丈夫、何かあったら口封じはする。」
「お前なぁ…」
だって偽名で呼ばれても反応できないもん。
「それじゃあ、うちでみっちり働いてもらおうか」
「あいあいさー」
と、私はおばさんに引き抜かれ兄様に手を振って背を向けた。
一晩で粧し込んで潜伏して。
任務なのはわかっているが寂しいものよ。
「くぅっ…アッサリしてるぜ…」
私の方が強いから何かされることはないけど、当分あの家には戻れないのかぁ…
早く鬼、見つかると良いな。
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(派手に化けやがって)
(…振り向いたら泣きそう)
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霞(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時