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40話 ページ40

身体中の空気が無くなって、もう苦しいような、眠たいような不思議な感覚だった。







「A嬢ぉ!!!」




外の小鉄君の声が聞こえた気がした。









とても良い子で、楽しい子、もっと一緒にいたかったな。









無一郎君とも、仲良くしてね。









「A、」







水中で、そう呼ばれた気になった。








ねぇ無一郎君、絶対勝ってね、鬼になんて負けないでね。







無一郎君は知らないかもしれないけど、貴方は人の為に無限の力を出せるんだよ。









鈍臭い私が最終選別で生き残れたのは、無一郎君が助けてくれたからだよ。









ねぇ無一郎君、好きだよ





大好きだよ。









貴方の記憶には残らないけど、貴方に私の想いが届くことはないけれど、






それでも、無一郎君の顔を見る度に好きが溢れて止まないの。









全身の力が抜けた時、無一郎君は片手で私を抱きしめてくれた。







「霞の呼吸 弐ノ型 八重霞」









___








_









「ガハッ…ゲホッゲホッ」





体中が苦しいと悲鳴を上げて、咳き込んで水を吐き出した。





やっとまともに酸素が吸えた。







それでも身体が欲しがる分は吸えなくて、水に溺れたせいで血流が良くなってる、まずい。





「A嬢、A嬢!!」





小鉄君が私の首元に抱きついてわんわん涙を流し始める。









すごいね…無一郎君は、血鬼術を破るなんて。




そう苦笑いしていると、長い髪の毛が私の肌を擽った。









「無一郎君…」





彼は何をいうでも無く、私の頬に手を添えた。









「…………」




何か言ってよ、と思ったけど、親指で私の肌から水滴を拭う無一郎君の目があまりにも優しくて、







まるで、愛おしいものを見ているようで、









それだけでもう、幸せで。

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ジャンとアニの守り隊 - 久しぶりに鬼滅夢小説見たら面白くて宿題やらずに読んでしまった泣…神作品✨ (2月27日 23時) (レス) @page46 id: 3aa9af30d4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 天才作者様だ (6月15日 17時) (レス) @page30 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 深夜に見つけて読了したのがAM3:21!運命をかんじました!!そして苦しくて涙が出過ぎてただ今枯れてます😭めちゃめちゃ感動です…素敵な物語から幸せを頂きました!ご馳走様!ありがとうございました〜!! (5月16日 3時) (レス) @page46 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
8190506(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…!一晩で書き上げてしまったと聞いて本当に驚きました…。でもそれを感じさせないほど素敵な作品でした…! (2022年4月2日 22時) (レス) @page46 id: 5a5b1fad70 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - しっかり泣きました!最高です (2021年10月16日 19時) (レス) @page46 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2020年3月31日 8時

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