13話 ページ13
無一郎君の服も乾いた(多分生乾き)事なので、夕餉は私の案で下町の定食屋へ行く事になった。
「それでね、天丼も美味しいけど天ぷらより衣がサクッとしてないのが私は悔しいです」
「ごはんが温かいし仕方ないよ」
冷めたご飯だったらそれはそれで嫌でしょ。と言われて、確かに。と頷いた。
「別皿に出してもらうとか…?」
「それじゃあ天ぷら定食じゃん」
「確かに…」
でもタレがご飯にかかっててまた美味しいんですよね、とくだらない話に花を咲かせていると、定食屋さんについた。
甘露寺さんおすすめのご飯とお味噌汁がおかわり自由でとんかつが美味しいお店らしい。
「なんでもあるね」
「風呂吹きも美味しいらしいですよ」
ダイコンとか、カブとか、と笑うと無一郎君はふーん、といつも見たいな相槌を打った。
「じゃあそれにしよう」
私も数日休み続きでお昼にどんぶりを食べてしまったので蕪の風呂吹きにした。
「怪我は大丈夫なの」
「はい。もうすっかり」
傷も塞がったし、痛みもないが筋肉が固まってしまっているので、入念に柔軟しないと。
「機能回復訓練で怪我しないようにね」
「しませんよ…っ」
「鈍臭いし。」
「酷い…」
「これじゃあなんかずっと前からAの事を知ってるみたいだね」
「…本当ですね」
注文した風呂吹きは、話しているとあっという間に来た。
ホクホク湯気が出ていて、蕪の皮も柔らかい。
「あっふ…んー、美味しい〜」
白だしの味がして幾つでも食べられる。
「…美味しそうに食べるね」
「食べますか?」
「ねぇ、敬語って必要?」
「えっと…」
一応階級的に…、と蕪を切った。
「…ふーん」
この相槌は不満な時の相槌だ。
「じゃあ、私も柱になれるように頑張ります。」
いっぱい鍛錬するね、体の使い方を見直して、刀をもっと大事にするね。
それでいつか柱になれたら、
そうしたら、無一郎君_____
「あっ!!」
半分に切った蕪は無一郎君のお箸に挟まっていて、そのまま彼の口へ。
「どうかなー、A鈍臭いし。」
「酷い、なんか、二重に酷い…!」
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ジャンとアニの守り隊 - 久しぶりに鬼滅夢小説見たら面白くて宿題やらずに読んでしまった泣…神作品✨ (2月27日 23時) (レス) @page46 id: 3aa9af30d4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 天才作者様だ (6月15日 17時) (レス) @page30 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 深夜に見つけて読了したのがAM3:21!運命をかんじました!!そして苦しくて涙が出過ぎてただ今枯れてます😭めちゃめちゃ感動です…素敵な物語から幸せを頂きました!ご馳走様!ありがとうございました〜!! (5月16日 3時) (レス) @page46 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
8190506(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…!一晩で書き上げてしまったと聞いて本当に驚きました…。でもそれを感じさせないほど素敵な作品でした…! (2022年4月2日 22時) (レス) @page46 id: 5a5b1fad70 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - しっかり泣きました!最高です (2021年10月16日 19時) (レス) @page46 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年3月31日 8時