29話 ページ29
「あ、無一郎君…」
長い髪を揺らすシルエットを見て、ボソッと呟くと、彼は振り返って私を見る。
「…あぁ、さっきの。」
「Aです」
「A。」
「…なんでそんなに汚れてるの？」
しかも浴衣と隊服っていう変な格好。と言われた。
「ちょっと遊んでたら浴衣が…」
「はだけたんだ。」
「…………」
炭治郎君も小鉄君も男の子だからその場で直すわけにもいかないから出来るところまで詰めて隠してたけれけど帯も緩んできたし早くこの場を去りたいんだけどそこ退いてください無一郎君。
「なんか、君って無邪気だね。」
うーん、と何故か自分も頭を悩ましながら不思議そうに呟いてくる無一郎君。
「前に会ったことありましたか？」
また初めましてで仲良くなろうとすると、無一郎は心底興味なさそうに答えた。
「さぁ、覚えてない。でもそんな感じがする。」
「そうですか…」
それでも、彼の記憶のどこかに私がいることが嬉しくて、ニヤついているがバレない様に下を向いた。
_
「あれに吹っ飛ばされたんでしょ」
私の僅かな傷を見て、そう憶測した彼をチラッと見上げると、私の頬に手をおいて親指で泥を拭ってくれた。
「ちょっ…」
「鈍臭いね、A。」
「鈍臭いし」
なにそれ。
会う度に人のこと鈍臭い鈍臭いって、
無意識なの？私が歴代稀に見ない鈍臭い人間なの？
それともさ、無一郎君は…
「鈍臭く、無いもん…ッ」
私と居たこと、覚えてるの？
最終選別を終えた時も、同じことを言われた。
前に風呂吹きを食べに行った時も、
蝶屋敷で会った時も。
「えっ、泣いてるの…なんで、」
「泣いて、ない…っ」
両手で目元を押さえると、炭治郎から借りた隊服がずり落ちちゃって、慌ててその場にしゃがみ込んだ。
無一郎君にばかり振り回されて、悔しいなぁ…
「…泣かないでよ。」
困った様に、ぶかぶかの隊服の袖で私の目元を拭う無一郎君。
無一郎君の中で、私はさっき出会った生意気なやつなのに、そのはずなのに、
「ごめんなさい…」
「……」
そんな目で、私を見ないで。
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ジャンとアニの守り隊 - 久しぶりに鬼滅夢小説見たら面白くて宿題やらずに読んでしまった泣…神作品✨ (2月27日 23時) (
レス) @page46 id: 3aa9af30d4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 天才作者様だ (6月15日 17時) (レス) @page30 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 深夜に見つけて読了したのがAM3:21！運命をかんじました！！そして苦しくて涙が出過ぎてただ今枯れてます😭めちゃめちゃ感動です…素敵な物語から幸せを頂きました！ご馳走様！ありがとうございました〜！！ (5月16日 3時) (レス) @page46 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
8190506(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…！一晩で書き上げてしまったと聞いて本当に驚きました…。でもそれを感じさせないほど素敵な作品でした…！ (2022年4月2日 22時) (レス) @page46 id: 5a5b1fad70 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - しっかり泣きました！最高です (2021年10月16日 19時) (レス) @page46 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だむい
| 作成日時：2020年3月31日 8時
