【ヒロアカ】かっちゃんを振り向かせる方法

64話 ページ14

「分かり易いんだよお前は」


「む。」





ベッドに座らされて、お互い胡座で向かい合っていた。




相澤先生から、爆豪に貼ってやれ。と湿布やら絆創膏やらを渡された。



デクの手当てはオールマイトがするって。


話もあるだろうから。






「泣いた後だってすぐわかんだよ」


慌てて両手で目を覆った。




「隠すな。」


「違う、見猿。」


「言い訳のレベル低すぎんだろ。」





そっと手を退かされて、今度はじっと見られる。






「怪我させられたとか思ってない」



「あ？………あぁ」




あ、しか発音できないのかこの男。







「色々募ってた想いが爆発したんだろうけど…あんま怪我しないでよ」



湿布を適当な大きさに切って、デクに蹴られた腕にペタッと貼った。






「ずっと憧れだった人の引退の引き金になったかもし……ちょっと…！」




湿布を貼っていた右手を掴まれて、そのままベッドに押し倒された。




あ、いや…色気のある感じじゃなくてだね。






「ずっと好きな女が怪我すんのもずっとつれぇんだよ…！！」




感情剥き出しの。






「なんでお前も平然としてんだよ…責めろよ…！ガキみてぇに泣けよ！強がってんじゃねぇ！！」






「…入院してた時、全く同じこと思ってた。」



見上げるように、かっちゃんの頰を掬った。






「ヴィラン連合(あいつら)の目的は俺で…お前は人質だったのに…なんでこんな怪我してんだよ…ッ！」



「…ふへへ…」




「気色悪い笑い方してんじゃねぇ」



「ひどい。…でも、人質って認識されるくらい…かっちゃんが私を大事に思ってくれてるって事でしょ？」




優越感のような、嬉しさで、また笑みが溢れた。





「もしそうなら、ちょっと嬉しい」




「…馬鹿じゃねぇの」





私の腕を掴む力が弱くなって、





「怪我してる私はイヤ？」


「…腹立つ。」





「嫌い？」


「……嫌いじゃねぇ。」




「ふふ...ならいいや」





それなら…これくらいの怪我、なんとも思わないよ。

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