検索窓
今日:27 hit、昨日:27 hit、合計:329,153 hit

80話 ページ33

「…………」




クッションで体を防御しながらかっちゃんをちらりと見た。





…ま、真っ赤だ。





「…照れた」



「照れてねぇ!!」






「はーん!!今更このくらいで照れてんじゃねー!!あっはっは!!」





高笑いすると、かっちゃんは私にクッションをすごい勢いで横投げしてきた。







「照れんな照れんな」




「照れてねぇわ!!おいA」



「はい」




余裕を持て余した私は笑顔が止まらない。







「頰で満足してんじゃねーよ」



「待ってくださいごめんなさい」





かっちゃんの右手で頰を掬い上げられ、私は後退した。






「待てや」



「黙ってちゅーされる私じゃないんですぅー」



「じゃあ喋りながらで良いから口出せや」



「ガラの悪いキス魔だなおい!!」





幼少期の夢が高額納税者なだけありバカみたいに広い家を逃げ回った。






「ぶはぁっ!!」




テーブルに小指を引っ掛け、私はコケた。




この歳でこれは酷い。








「ぐぅああああ痛い…ッ…ひぃ!!」




「情けねぇ奴だな」







迫り来る嘲笑している旦那。



腫れている小指。









「ほら、泣いてんじゃねーよ」




「じゃあ床ドンやめてもらっていいですか…」




怖いです。と言うと、親指で涙を拭われた。








「………泣くほど痛いのかよ」




「恐怖も加えてね!!」






「お前の涙に弱いんだよ俺は。だから泣くな。」



連合に誘拐された時とか


お前を振った時とか


神野事件の時とか









「小指ぶつけた時とかな」




「何よそれ」








「良いから泣きやめっつーことだ」





今度はまぶたに柔らかいものが触れて


かっちゃんの声が近くに聞こえて


かっちゃんの香りがふわりと鼻を包んで






些細な事だけど、幸せで仕方ない。









「嬉し涙なら良いでしょ…っ」


かっちゃんの首に手を回した。









「…それなら許す」



だめだ。









「かっちゃん、ほんと好き…大好き」




この人の事が









「あぁ、俺も。……愛してる」






愛おしくて、たまらない。

新作と余談→←79話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (715 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1575人がお気に入り
設定タグ:ヒロアカ , 爆豪勝己
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きゅうり - お幸せにぃぃぃぃ!!! (2022年3月29日 12時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
納豆ジュース(プロフ) - とっても面白くて、文才がある方だなと思いました!2人の子供の話とかも見てみたいなと思ってしまいました!可能なのであれば、続編(子育て編)なども見てみたいです!この作品を作ってくださり、有難うございました! (2021年2月22日 20時) (レス) id: 0ac0062b99 (このIDを非表示/違反報告)
btobsjcpily(プロフ) - めちゃくちゃ素敵な話しでした!!私も爆豪と結婚したいっ!! (2020年12月8日 12時) (レス) id: aee8efac93 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪ファンクラブ - ですね〜 (2020年11月9日 21時) (レス) id: 0ceb3868db (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 爆豪の奥さんなったら幸せやろなぁ (2020年11月9日 21時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:だむい | 作成日時:2018年12月8日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。