34話 ページ34
感情に収集がつかなくて声も出なかった。
足に力が入らなくてその場に崩れ落ちた。
「ふるや、れいくん…」
あぁそうだ、彼は零君だ。
昔と一緒だ。また私を守るために一人で敵に挑みに行ってしまう。
私を置いて。
「………」
あれは、さようならの意味だったのか。
あまりに一瞬で、混沌とする今はこんなにも長くて。
「cupid、立って。」
「あ、この間の…」
「ごめんなさい、遅かったわ。」
何のことかさっぱり分からないけど、涙で酷い顔を隠したくて、下を向きながら、支えられてやっと立ち上がった。
彼を追いかける力は到底ないなぁ…
「あなたはもう大丈夫」
「…私以外の人は、大丈夫じゃないんですか」
「どうかしらね」
降谷零が通って行った道を眺めながら外国人の美人さんはそう呟いた。
「彼がこんなに必死に誰かを守ろうとする姿を見たのは初めてよ」
スコッチの時とはまた少し違う。って、
また私が知らない話。
「私のせいで、あの人は危ない目に遭うんですか?」
安室透と名乗っているところ、なんとなく名前で呼ぶのを躊躇した。
「確実に言えることは、今の彼は貴女のために動いているってことだわ」
つまり、私の安全が保証されればされるほど、降谷零の危険が増すということ。
あぁもう、余計なお世話って言ってやりたいわ。
「あなたは、えっと…」
「ベルモット」
「ベルモットは、彼とよく会うんですか?」
さん付けは基本しないわ、と言われ呼び捨てにさせてもらった。
日本育ちの私からしたら失礼に当たらないか不安になってしまう。
そもそも彼女は何者なのか…
「えぇ、貴女にシフトを代えてもらってる時とかね」
「そんなことまでご存知なんですね」
不思議と気味が悪いとは思わなかった。
なんでだろう、この人は私を本気で助けようとしてくれてるような気がする。
「…あの、ベルモットはどうして私を助けてくれるんですか?」
前も声をかけてくれた。
そのおかげで降谷零君がよく分からない指示を出して私は救われた…気がする。
「秘密よ秘密。」
「ひ、秘密…ですか」
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A secret makes a women women...
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彩豊(プロフ) - 控えめに言って凄く面白いです!まだ登場してないキャラの(もちろん登場済みのキャラも)活躍を楽しみにしています(*^^*)続きを心から待ってます! (2022年10月10日 14時) (レス) @page48 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
未悠(プロフ) - 本当だむいさんが作る作品全部好きです。 (2022年6月18日 17時) (レス) id: abbd0293bd (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - これ、リメイクしていってるんでしょうか? (2021年5月20日 2時) (レス) id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - コナン無知の為Googleと首っ引きで読ませて頂きました(6割ニュアンスで読んでます、すいません) ちょうど「むしろ清々しい」読み返してた所だったので運命感じました…。もうずっと推します、占ツク1の推し作者様なんですっ!!無理のない範囲で更新頑張ってください。 (2021年5月3日 6時) (レス) id: 423a130570 (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - パラグライダーではなくハンググライダーでは無いでしょうか〜 (2020年4月12日 21時) (レス) id: 6d6e512c02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2018年4月15日 21時