【名探偵コナン】小学時代の旧友がイケメンになっててシフト被ってる。

21話 ページ21

「ハムサンドまだー？」



硬直する彼を起こすように、頬杖をつきながら文句を言った。





「少々お待ち下さい」


たったこの一言で抱いた違和感。








「……」




ほぼ初対面の状態で異常なくらい馴れ馴れしかった男が急に他人面。



普段敬語だし、別にいつも通りかと言われたらそうなんだけど、そうじゃないの。








「帰り道は…絶対にいつもの道で帰らないでくださいね」


「ここで食べていきたいんだけど。」






勝手にテイクアウトにしないでよ、とハムサンドを詰める男に言うも聞く耳を持ってくれない。



どのお客さんともする雑談が、彼の表情を見ていると重たいものだと思えて。









「申し訳ないです、本当に。でもどうか僕の願いを聞いて」



「……」






歳を重ねるに連れて、なんでって詮索するのが億劫になる。



知らない方が良いこと、知って後悔すること、色々間違えてきたから、安全な方を選ぶの。









「分かった。」



私は、子供じゃないって言い聞かせて。





シフト代わってもらったんだし、喉元のモヤモヤは飲み込もうと。









「作ってくれてありがとう」



ちょっとぶっきらぼうだったかも。


妥協しても、疑問が消えるはずもなく頭の中で理由を模索している。







何を隠しているのか知らないけれど、きっと今の彼にとって私は都合が悪い。









「…いえ」



こんな神妙な面持ちをする人なのか。



ヘラヘラしてて毛利さんの弟子のくせにポンコツだし、私の嫌いなタイプ。









「あの、」


「いつもの道は通らない、何も聞かないから、大丈夫。」





色々な事情に、私が知り得ない事情に、安室透に対して大丈夫。と一言告げてポアロを出た。








_





暇になっちゃった





_







家で休もう、



シャーロックホームズの本が続きだったからそれを読もうか、




蘭ちゃんや園子ちゃんに会いたいなぁ




あいつともう少し、話してみても良いと思ったのに。









「あれ、A姉ちゃん？」



暇な私を救い出すのは、小学生だった。

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