彼女が可愛いから婚姻届貰ってくる。【中原中也】

15話 ページ15

可笑しい、Aが俺よりも起きるのが遅いだと？



中原「…疲れてるのか。」


そっと部屋を後にして、テキトーに朝食を作って一人で食べる。


Aの分もラップして置いておいた。




一人で食べる飯は美味くない。


特別俺の料理が下手糞な訳でじゃねぇけど、


Aの飯を食べたい。




朝からこの事だけの意識はハッキリしていた。




前に誰も座っていないのは何処か寂しい。


一緒に食べたい、話したい。





だが起こすのはどうも気が引ける。



中原「はぁぁ……」



どうにも進まねぇ飯を残してソファにぶっ倒れた。




猫に嫉妬するぜ…。




唸りながら突っ伏していると、テーブルにあった一枚の紙が窓からの風で飛んでいってしまった。



そういえばソファ前のテーブルってテレビ見るとき菓子を置いたりとかしかしねぇから知らなかったけどAが貰ってたプリントやノートが多々置いてある。




中原「ったく…片付けしろよ……な……？」



なんだか厚めのノートがあった。




朝で時間がないとは分かっていても手が伸びる。





中原「レシピ本か。」


そう思って中を開けると驚愕した。




作り方の下にAらしい可愛い字で文字が書かれている。


中原「蟹鍋。中也は太宰君を思い出してずっと愚痴を零していた。なんだかんだ仲良いのに！
愚痴を零す割に口と手はよく動いてた。
美味い美味い！と言って食べてくれた。また作ろうかな！



ゴーヤチャンプル。苦いと言ってゴーヤを端に寄せていた。子供ですか…。
次回は中也のゴーヤ克服！


ハンバーグ。豆腐ハンバーグってヘルシーで美味しいと聞いて作ってみた。随分前に中也が嫌がってたゴーヤを凄い小さくして入れたら気づいてなかった！これはまた使えるぞー。」




……Aー…


俺はもうお前と結婚するしかないんだな。



もう結婚しかない。そうだ婚姻届を貰いに行かなきゃ。



ウェディングドレスとか見てぇぇぇ！






中原「マジで結婚しよ。」






ソファの上でひたすら悶えてた。

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