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目をぱちくりさせ、咄嗟に私は見上げる。

……何で___、

『んっ…！？』

襲われるかと思いきや、

力無く彼に抱きしめられる。

ぇ、

ひたすら、
心臓はバクバクと音を立てていた。

『……わッ、…おそ松様…っ？』

「………悪りぃ、先走った。

…痛かったか？」

『…っえ、

ぁ、いやそんな…ッ。

……ご、ごめんなさい。おそ松様、

無礼な事を…、』

「…何故お前が謝る。

…大体俺が____、」

そう言いかけた所で、
彼は突如目を丸くする。

「…ッ、お前、
…何泣いてんだよ…。」

『…っ、』

知らぬ間に、自分の目は潤んでいた。

…いつの間に、

「……ッわ、悪かったって！！

…そんなに嫌だったのか…？」

『…あ、…っいやいや、
決してそんな事は…んぐッ！！』

…っ苦しい。

息が止まる位に、
更に強く抱きしめられる。

「……俺の事、

嫌いになった…？」

『…ちょ、どうしてそうなるんですか…。

…嫌いになりませんよ。
こんな事で、』

まぁ正直、…ちょっとびっくりしたけどさ。

『…ゆっくり、少しずつ
慣れていきましょうよ、おそ松様。

私も、こういう事にはまだ疎いので…、』

「…ん、」

ふさふさの髪を撫でてあげると、
泣き疲れた子供のように、

彼は擦り寄ってきた。

あんなに取り乱した所、初めて見た。

いつもムスッてしてるけど、
意外と慌てたりもするんだな。

『そういえば、ずっと気になってたんですけど、

…おそ松様は、
…こういう事、手慣れているんですか？

その、女の人と、
……"そーいう事"したりとか…。』

「……は？
…何が？」

『えっ』

貴方と暮らすには、

かなりの修練が必要の様だ。