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__________“結婚”。
女の子なら、誰しも憧れた筈ではないだろうか。
高望みはしないが、
私もいつかは素敵な男性と人生を添い遂げたいと
強く思っていた。
.
これは私の勘違いだと強く願いたいのだが、
まさか、目の前のコイツは、
そんな私にプロポーズをしているのか…!?
あり得ない。
断じてあり得ない。
『ま、待って下さいってば…!!』
追いやるように、私は彼から離れる。
『…そもそも私達、いつからそーいう関係になってたんですか!?
…“夫婦”だなんて…、
私はただ、巫女としてお仕えしてただけで…。』
「……Aは、俺の事、嫌いなのか…?」
途端にしょんぼりするおそ松様に、
思わず息を詰まらせる。
『…ち、違いますよ!!
嫌いなんかじゃ…ッ、』
まるで即興で喋らされてるみたいだ。
上手く言葉が見つからない。
『…第一、私はただの"人間"なんですよ…!?』
人間と神様。
明らかに住む世界が違う。
ただの人間風情の私が、
神様のお嫁さんだなんて、
務まる訳がない。
身に余る以上の事だ。
『……私を娶って、良いことなんて
一つも無いんですよ…!?
大して可愛くもないし…、
胸だって小さいし!!
得意な事だって、掃除や料理くらいだし…。
……男の人だなんて、殆ど関わった事だってないし…っ。』
それどころか、苦手に近い。
男の人以前に、
人付き合いだって上手く出来ないし。
『…貴方を、…ロクに満足させる事だって出来ない…。
そんな私が、
神様と"夫婦"になるだなんて…。』
無理だ。
そんな役目、私に出来ない。
おそ松様だって、絶対後悔する。
『……。』
「…………A、」
優しい彼の声。
俯いた顔を上げると、
そっと唇が触れる。
『…!!』
えっ、
目を見開くと、
すりすりと頬擦りをされる。
「……ばーか。
"そんな"お前が、俺は好きなんだよ。」
息を呑んだ。
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緑の白猫 - rフラグの限界を試す語彙力。 (2021年4月19日 20時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
りだ兄(プロフ) - 兄様、最高すぎです。 (2019年9月13日 23時) (レス) id: b7a49e66ce (このIDを非表示/違反報告)
Rit(プロフ) - あまもさん» にゃー。 (2019年9月13日 22時) (レス) id: ad53a4c674 (このIDを非表示/違反報告)
あまも(プロフ) - 猫ktkr (2019年9月13日 21時) (レス) id: 6a329060ea (このIDを非表示/違反報告)
ただの通行人(プロフ) - 結婚式か。良き良き……是非呼んで下さいな。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
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