非公開 (ページ38)

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どうやら、彼は相当酒に弱かったらしい。

「…チッ、

…あ"ー……頭痛ぇ…。」

『全く…、馬鹿ですねぇ。
あんなに飲んで、

二日酔いになるのは当然ですよ。』

洗濯物を畳む私の膝の上で蹲る彼、
時折呻き声を上げては、

この世の終わりのような顔をしていた。

「…うるせぇな。

大体、お前の帰りが遅過ぎるんだよ。
易々と約束破りやがって。」

『貴方がせっかち過ぎるんです。
それに、私はちゃんと帰ってきましたよ？

…そしたら、あんな状態になってて…。

おそ松様、しばらくお酒は禁止ですからね。』

ぷいっ、と彼は目を逸らす。

…正直、昨日みたいな状況はもう懲り懲りかな。

何より対処が大変だし。

つか、そもそも何だよあのキャラ、
完全に別人格が誕生してたよね。

『…あの、本当に覚えて無いんですか、
昨晩の事。』

「……覚えてねぇよ。
…俺、何かしたのか…？」

『…こんな感じになってましたけど。』

スマホを手繰り寄せ、
昨日こっそり撮った泥酔状態の彼の写真を見せる。

「…っ、…はッ！？」

まるで火が付いたかのように、
彼の顔は一瞬で真っ赤になった。

「…これ、……俺か…？」

『そうですよ。

…全く、こっちは大変だったんですからね。』

「……っ。」

顔を引きつらせ、
画面の向こうの自分の醜態を

食い入る様に見つめる彼。

握りしめた私のスマホは、
今にも折れそうだった。

『あ、動画も撮ってありますけど。
…見ます？』

「見るか馬鹿。燃やせ。」

『意外と可愛い一面もあるんですね。』

「なっ、…うるせぇな…ッ。」

彼の新たな弱点が見つかった。