5 ページ6
数年後__
初恋をした公園に来ている。
遊具は色が禿げ、錆び付いたぐらいで他は何も変わっていなかった。
そりゃ、7年経っただけだ。
大きく変わることもないだろう。
『恵くん、待ってるね』
「こちらの公園を訪れた方々がその場で姿を消し、数日後各場所で上半身のない遺体で見つかっています。何れも噛みちぎられたような跡があります。予想、2級呪霊かと」
「ありがとうございます」
________________
「恵、今回の任務は恵にとって苦しいものかもしれない」
「は?」
「皆、任務で手が空いてなくてね。僕も外せない仕事が入ってる。幸い、悠仁と野薔薇がいる」
「何言ってるんですか。理解が追いつかないんですけど…」
「殺せない時は、悠仁と野薔薇に任せて逃げていい」
「何を心配してるか知りませんけど、仲間を置いて逃げる程、屑じゃないですよ」
「ま、お土産買ってくるからずぇーったい帰ってきてね!!」
________________
あの人は何が言いたかったのか。
「はぁ…何にも起きないじゃない」
「腹減ったぁ…」
「集中しろ」
「だって昼から張り込みしてるけど、何も起きないじゃない」
「帰ろーぜぇ?」
「全員、姿を消した時間がバラバラなんだ。いつ来るかわかんねぇだろ」
「人通りもないし、もう居ないんじゃない?」
確かに残穢は日が経って消えているし、居なくなったのか…?
ブワッ__
突風で刈られたばかりの芝が舞い、俺達は目を瞑る。
「さいあ…く……呪霊よ…」
目を開けると、少し遠くに佇む影。
見ずとも気配でわかる…呪霊だ。
俺達が構えを取ると呪霊は俺達に向かってきた。
「強かったな」
「ふぅ…ちっとばかし手こずったわね。お腹空いた、ご飯行きましょ」
『久しぶり、恵くん』
気配が全くしなかったッ
振り返ると懐かしい顔立ちの女がいた。
「硪留A…」
『わ、覚えててくれたんだ。嬉しい』
「え、誰?」
「あんた彼女居たの…?」
「違う、小学ん時のダチだ」
「ほぇー、伏黒ダチとか居たんだな!!」
「はぁ……こっちに戻ってきたのか?」
『ううん、少し野暮用でね。其方の女性は?』
「釘崎野薔薇」
『恵くんとどういう関係なの?』
「此奴らはただの同級だ。それ以上でも以下でもない」
『そう。じゃあ悪い人じゃないんだ』
硪留は笑って、瞬きした次にはもう居なかった。
ドサッ__
虎杖と釘崎が倒れた。
俺の後ろに硪留がいた。
距離をとった。
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかん | 作成日時:2020年12月30日 17時