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数年後__


初恋をした公園に来ている。


遊具は色が禿げ、錆び付いたぐらいで他は何も変わっていなかった。


そりゃ、7年経っただけだ。


大きく変わることもないだろう。



『恵くん、待ってるね』




「こちらの公園を訪れた方々がその場で姿を消し、数日後各場所で上半身のない遺体で見つかっています。何れも噛みちぎられたような跡があります。予想、2級呪霊かと」

「ありがとうございます」



________________

「恵、今回の任務は恵にとって苦しいものかもしれない」

「は?」

「皆、任務で手が空いてなくてね。僕も外せない仕事が入ってる。幸い、悠仁と野薔薇がいる」

「何言ってるんですか。理解が追いつかないんですけど…」

「殺せない時は、悠仁と野薔薇に任せて逃げていい」

「何を心配してるか知りませんけど、仲間を置いて逃げる程、屑じゃないですよ」

「ま、お土産買ってくるからずぇーったい帰ってきてね!!」

________________




あの人は何が言いたかったのか。



「はぁ…何にも起きないじゃない」

「腹減ったぁ…」

「集中しろ」

「だって昼から張り込みしてるけど、何も起きないじゃない」

「帰ろーぜぇ?」

「全員、姿を消した時間がバラバラなんだ。いつ来るかわかんねぇだろ」

「人通りもないし、もう居ないんじゃない?」



確かに残穢は日が経って消えているし、居なくなったのか…?


ブワッ__


突風で刈られたばかりの芝が舞い、俺達は目を瞑る。



「さいあ…く……呪霊よ…」



目を開けると、少し遠くに佇む影。


見ずとも気配でわかる…呪霊だ。


俺達が構えを取ると呪霊は俺達に向かってきた。


「強かったな」

「ふぅ…ちっとばかし手こずったわね。お腹空いた、ご飯行きましょ」

『久しぶり、恵くん』



気配が全くしなかったッ


振り返ると懐かしい顔立ちの女がいた。



「硪留A…」

『わ、覚えててくれたんだ。嬉しい』

「え、誰?」

「あんた彼女居たの…?」

「違う、小学ん時のダチだ」

「ほぇー、伏黒ダチとか居たんだな!!」

「はぁ……こっちに戻ってきたのか?」

『ううん、少し野暮用でね。其方の女性は?』

「釘崎野薔薇」

『恵くんとどういう関係なの?』

「此奴らはただの同級だ。それ以上でも以下でもない」

『そう。じゃあ悪い人じゃないんだ』



硪留は笑って、瞬きした次にはもう居なかった。


ドサッ__


虎杖と釘崎が倒れた。


俺の後ろに硪留がいた。


距離をとった。

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作者名:みかん | 作成日時:2020年12月30日 17時

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