79話 ページ30
ゴースト「いやだ、あの女、おそろしい。」
姫野「私の全部、あげるからゴーストの全部、使わせて。」
お姉ちゃんの手をゴーストの手がタッチする。
そして、ゴーストが出てきた。
手だけではなく、体まで全部。
ゴーストがサムライソードと戦い始める。
お姉ちゃんの伸ばしていた右手が消える。
A「とりあえず、安全なとこに行こ。」
そういって、無理やりアキくんを抱えて少し離れたところにいった。
アキ「お前の方が重症なのに、無理するな。」
A「大丈夫だよ〜
多分、私が死んでも、悪魔が…あまねがなんとかしてくれるはず。」
サムライソード「お…おい！助けろ！」
少し押されて助けをよぶサムライソード。
でも、助ける様子はないアカネ。
アカネが手を伸ばした。
正直、傷が痛すぎて…動けない。
ただただ見守ることしかできなかった。
お姉ちゃんの方を見ると、左手も消えた。
A「お姉ちゃん…！もう、やめて！
私…お姉ちゃんとまだやりたいこといっぱいあった！」
そういうと、お姉ちゃんはこちらを向いて、少し笑った。
姫野「アキくんとAは死なないでね。」
左足が消える。
姫野「私が死んだ時さ…」
右足も消えた。
だんだん姉がいなくなっていくのを見ることしかできない自分が悔しい。
姫野「泣いてほしいから。」
そこまで言うと、もう上半身しかなかった。
A「いやだっ…いやだ！お姉ちゃん！！
お願い…いなくならないで…
たった1人の家族なのに！ｸﾞｽｯ お願い………」
涙が頬を伝う。
アカネ「蛇、丸呑み。」
ゴーストが飲み込まれた。
アカネ「帰れ。」
蛇は帰っていった。
そっちにばかり気をとられていたが、振り向くと、そこにはもう大好きな姉の姿はない。
服と眼帯だけが落ちていた。
A「お姉ちゃん……お姉ちゃん！！ｸﾞｽｯ
うわぁぁぁああぁぁぁん！！」
こんなに号泣したのは久しぶりかもしれない。
アカネも少し驚いているようだ。
敵が号泣するのは予想外…なのかな。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年7月8日 9時
