【A3!】大好きなお兄ちゃんへ【三好一成】

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「「ありがとうございました！」」

　劇団員の挨拶と同時に鳴り響く拍手。その瞬間に我に返る。どうやら私は、夏組全員の芝居に魅了せれていたらしい。
　アラビアンライトをモチーフにした「Water me!」。一人一人の演技に魅了されしまった。
　主役でありアリババ役の天馬くんには、たくさんのコメディ要素がありすごく面白くて、シェヘラザード役の幸くんには、男の子なのに女性らしさと私では表現できない美しさがあった。シンドバット役の椋くんからは、一生懸命芝居をしたのがしっかり伝わってきて、魔人役の三角さんからは、いつもとは一味違う三角さんが見れて楽しかった。
　そして、アラジン役のお兄ちゃんからは、夏組みんなと心から楽しんでいる雰囲気が伝わってきた。

「マジサンキュー！」

　私だけかもしれないけど、カーテンコールで再び出てきた夏組のみんなの中で、一際目立っているお兄ちゃん。
　今のお兄ちゃんはすごくかっこよくて、何より今まで以上に生き甲斐を見つけているように見えた。

『…おりがとう、お兄ちゃん。』

　シェヘラザードみたいには言えないけれど、私も同じくらい感謝しているよ。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

「みんなお疲れさま！Aちゃんが来てるよ！」
『み、皆さんお疲れさまです！客席から見ててすごく面白かったです！』

　監督さんに連れられ、私は劇団員がいる控え室にお邪魔させてもらった。

「A来てくれてありがとー！ねね、お兄ちゃんのアラジンどうだった！？」
『うん！すごくよかったよ！』
「マジ！？うれしー！」

　そういった瞬間に、衣装姿のままのお兄ちゃんが抱き着いてくる。いつものお兄ちゃんだけど、やっぱり衣装のままだと少し緊張しちゃう。

「バカップルみたいなことするなこの馬鹿兄妹。」
「妹さんに観てもらえてるっていいなぁ。」
「A〜オレはどうだった〜？」
「お前ら一気に話しかけすぎだろ！」

　たくさんの声が控え室中に響き渡る。

　もし、夏組と、監督さんと、MANKAIカンパニーのみんなと出会えてなかったらどうなっていただろう。多分、今までと同じ日々を過ごしていたと思う。
　こうして楽しめる日々をくれたお兄ちゃんに感謝しなきゃ。

『ねぇ、お兄ちゃん。』
「んー？」
『また、お兄ちゃんのお芝居見せてほしいな。』
「もち☆その時は今よりももっとうまくなるからね！」


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