【A3!】大好きなお兄ちゃんへ【三好一成】

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『お兄ちゃん、今日は早く大学終わったの？』
「そそ、課題とかもあんまなかったし、たまにはAと帰ろうと思ったんだよねぇ。」

　美大生のお兄ちゃんはすごく絵がうまくて、PCとかSNS関係もとても詳しい。よく授業中もLIMEが来る。それ以外にも、中学まですごく勉強熱心だったから、私が課題でわからない場所があると丁寧に優しく教えてくれる。
　それに、私が過去にいじめられてたことも知ってて、不登校になって家にいる時も責めずにずっと私の味方でいてくれた。

「あ！その前に、Aと一緒に帰ってる写真撮ってインステ載せてもいい！？『妹ちゃんと帰ってるなう☆』」
『ええっ！？ま、まって！恥ずかしいから私の顔隠して〜〜！』

　いつもお兄ちゃんはこんな感じだ。性格も全然違うし、友達だってたくさんいる。でも、そんなお兄ちゃんは私の憧れでもある。

(私もお兄ちゃんみたいに、誰からも慕われるような人になりたいな…。)

「お〜！『妹ちゃん激かわやばたん！』ってきたよん♪オレの妹ちゃんなんだがら激かわに決まってんじゃ〜ん。」
『え、え〜！？その写真消してー！』

　こうして茶番をしているだけでもすごく楽しい。やっぱりお兄ちゃんはすごいよ。

「んー、じゃあお詫びにAが好きなお店寄ってあげてもいいよん♪」
『お詫びって…。』
「ほらほら〜日が暮れちゃうからっ。」

　行きたいお店…。
　あまり外出が好きじゃないから、お気に入りのお店とかもこれと言ってない。しいて言うならば、

『…じゃあ、ぬいぐるみがたくさんあるお店に行きたいな。』

　子供のように見えるけど、こう見えて私はすごくぬいぐるみが大好き。寝るときはいつも一緒。

「おけおけー。この辺でぬいぐるみありそうなお店探してみるねん♪」

　そういうと、お兄ちゃんはスマホを取り出し検索し始めた。そして、数分も経たないうちに、

「こことかどう？A好みのきゃわたんなぬいぐるみあるって。」
『ほんとだ！写真もついててわかりやすいね。』
「んじゃ早速妹ちゃんのご希望通りに行っちゃいますか！」

　「いこっか」と私の手を取る。
　ちょっぴり恥ずかしいけど、こうしてお兄ちゃんと手を繋いでいるとすごく安心して、子供の頃に戻った気がして嬉しくなれる。


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