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32 (紬 side) ページ33

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フ「(まず、このカバンを開けてください
お嬢様が命がけで手に入れたものです」

シ「(…分かった)」


シトロンくんは、女性から鞄を受け取り
中を開けた

中から、大量の書類らしき物と手紙が出てきた


シ「(何だこれ…は…は?!

これは、カシム・エルマーナスのサインに
弟達のも…まさか!まさか、本当に!)」

フ「(旦那様の、不正の証拠です
お嬢様は、シトロン様の為に命がけで
それらを手に入れたのです

そして、私が処刑されないために
敢えて私を、日本に来させたのだと思います

優しい方なのです、本当に)」

シ「(そんなはずはない!!

私は確かに見たのだ!父に従う彼女の姿を!
冷たく、光を失った瞳を見たのだ!)」

左「落ち着け、ほら座れ

何があった、話してみろ」

シ「…これは、ワタシを守る為のドウグ、ネ
Aが、命がけで見つけたヨ

ワタシが、国に帰れるように」

紬「命がけ?!どういうことですか!
Aさんは!?」

丞「つむ、ほら座れ」


俺は、丞に座らされて
一応、一旦は落ち着きを取り戻した


フ「(この方々は、何ですか?)」

シ「(私の大切な家族だ
そして、Aもここで過ごしていた

皆、Aの事も仲間だと思っている)」

フ「(そうですか

…なら何故、A様を未だに冷たいなどと
仰るのですか)」

シ「(それは…それは、彼女が月になりたいと望むからだ

それこそが、真の望みならば
私や彼らに向ける優しさを、手放しで受け取るには
無理がある

そう、思うだろう)」

フ「(…残酷な方ですね、貴方は)」

シ「(なんだと?)」

フ「(国民を慕い、国民に慕われる王子
優しく聡明で、シトロン様に任せれば国は安泰…

ふっ、こんなに残酷な方のどこが
" 優しくて聡明 " なんですか!!

もしそうなら、何故お嬢様の真意に気付かず
冷たいなどとおっしゃるのですか!!

お嬢様が、貴方のためにどれほど努力したと!

旦那様が貴方に刺客を送った時
日本に駆けつけ、あなたを守ろうと必死で足掻き

死を覚悟で、書類を盗み

10年以上もの時を経ても、あなた1人を愛する
お嬢様のどこが、冷たいんですか!!

そんなに聡明なら何故分ろうとしないのですか!)」


女性が、ザフラ語でシトロンくんに
捲し立てると、シトロンくんは黙ってしまった

この女性は何故、こんなにも怒っているのだろう


シ「(私は、残酷か)」

シトロンくんが、何かを呟く

フ「(初恋を、何度も踏みにじる事を

残酷と呼ばず何と呼ぶのですか)」


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シトロン(プロフ) - 藤李さん» コメントありがとうございます!読んでもらえて、とってもうれしいです^_^ (2020年3月28日 17時) (レス) id: 99f8d835d1 (このIDを非表示/違反報告)
藤李 - とっても面白かったです!続きが出るの楽しみにしてます! (2020年3月28日 10時) (レス) id: b71c5bc041 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シトロン | 作成日時:2020年3月2日 13時

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