21 (紬 side) ページ22
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シトロンくんがザフラ語で何か言うと
Aさんは、返事をしてすぐさまリビングを出てしまった
一見すると無表情に見えるその目には
確かに涙が溜まっていた
お辞儀をして、その顔は見えづらくなっていたが
部屋を出る直前、唇を噛んだのは見間違いではない
紬「何を、言ったんですか」
丞「落ち着け、どうしたんだよ急に」
紬「何を!言ったんですか!!」
シトロンくんは、一瞬だけ表情をくずしたが
すぐに、いつものように明るくこういった
シ「何でもないネー!フタリのヒミツだヨー!」
紬「そう、ですか…分かりました」
丞「おいつむ、待て!」
何でもないわけない
だって、あんな顔してるAさんは
初めてみたから
俺は、すぐに彼女の部屋に行った
ノックをすると、返事はなかったが
鼻をすする音が聞こえて、ドアをゆっくり開けた
彼女は、窓の外を見ながら
ただ、立っていた
紬「今夜は、月が眩しいですね」
『…はい』
続きのことばが、見つからない
シトロンくんと、何を話したの?
シトロンくんとは、友達?それとも…
『ツムギ、私はかわいくないデスカ?』
紬「可愛いですよ、本当に」
『ツムギは、優しいデス
優しくて…ずるいデス』
紬「優しくなんか、ないですよ
俺はただ」
" ただ " その言葉の後に、言おうとした言葉を
のっくんだのは
彼女が今、俺と同じ気持ちを
別の人に向けていると分かっているから
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シトロン(プロフ) - 藤李さん» コメントありがとうございます!読んでもらえて、とってもうれしいです^_^ (2020年3月28日 17時) (レス) id: 99f8d835d1 (このIDを非表示/違反報告)
藤李 - とっても面白かったです!続きが出るの楽しみにしてます! (2020年3月28日 10時) (レス) id: b71c5bc041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シトロン | 作成日時:2020年3月2日 13時