検索窓
今日:7 hit、昨日:4 hit、合計:44,766 hit

45 ページ45

:








「 … 渡辺くん 」








あの後、家の中に入り膝から崩れ落ちた俺



昨日は何とも頭をよく使う一日だった。








俺の事が好きな阿部さん





彼と同級生の岩本照




ご飯に誘ってくる元彼の向井康二







おとぎ話の中でもこんな一斉に登場人物を詰めてこない


それに、本当に昨日は怖かった






「 起業家というならば少なからず頭は良いはずで

コミュニケーション能力も高く語彙力も高い




自分自身の体の状態だって機械なんか使わずに感じて


分かる、という人が多い 」





どこかの本でそんなことが書いてあった。



岩本はその特徴にぴったりと当てはまっている







それに、彼に向ける眼差し







ウットリとしていた、あの時の様に




ナイフのように尖った視線ではなくて







どこか、恋してるかのような。









「 渡辺くん 」

「 あ、はいっ … ぁ 」

「 あ、えっと、ごめんね昨日

えりが何か、変な事言っちゃったみたいでさ 」

「 あぁいやべつに、あの年頃の子には良くある事ですよね

少女漫画とか読んで、そういう感情に浸る事 」









レジの中にお金を見詰めて考えていると



隣に資料を抱き締めながら、困り眉で俺を呼ぶ阿部がいた






昨日の事、気にしてるんだろう。







正直俺だって頭の中央にまだある





あれがただのえっちゃんの妄想だとしたら直ぐに済む話


だけども何と言うか、妄想の話を簡単に「本当」という

言葉に置き換えて話すものなのだろうか





あんな小さい子が。








「 そうだよね、ココ最近テレビでも良く恋愛アニメとか

ドラマとかやってて夢中で見てるし、多分その影響かな 」







ニコッと笑って楽しそうに自分の子供の話をする阿部さん




恋愛的な意味じゃなく、人間的に俺は阿部さんが好きだ


優しくて不機嫌な顔をせず、いつも笑っている






そんな阿部さんが “ 人間的 “ に好き。







きっとあれは違う。







「 ココ最近、あのお客さん見かけないね 」

「 あのお客さんって? 」

「 ほら、いつも朝に来る 」

「 あぁ … 忙しいんじゃないですかね 」







そのお客さんは今









「 うわっやっべ!遅刻だ! 」








きっと会社に猛ダッシュで向かっているんだろう。







:

46→←44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (57 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
198人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 深澤辰哉 , 渡辺翔太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年4月29日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。