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不安が募る ページ9

『……なるほど』


「はい」


『もう"本当に治らないんですね"』


「……私達も一生懸命治療法を考えましたがどれも実現化は難しいとのでした。…申し訳ございません」


医師は
私とペ神に頭を下げ
謝った。


sn「……」


ペ神はしたをみつめる。


私は口に出した。


『大丈夫です。私も元々こうなることは把握済みでした。』


「!!」


『私が死んだから周りが変わる訳では無い。』


ペ神はその声に
はっとなり涙を流している。


わたしはペ神の髪の奥の
頬をそっと触り雑面の神という字を
見つめながらこういった、


『人は皆脆いのです。命が伸びたからと言って、何かが変わる訳では無い。でも、短くなったなら時間は確実に"短く、貴重なものだ"と』


『私はそれを胸に生きています。』


sn「Aッッッ」


『私達の尊敬する神はこういう運命を歩めと言いますから。私はこう生きるしかないのです。』


「…」


『最後まで私に手段を考えて専門家の方々に実現化はできるかまで聞いて下さりありがとうございました。治らないのであれば治らない時間のうちでやりたいことを、ゴホッ...ゲホッ...』


私は咳をする。
抑えたては真っ赤。
喀血かぁ。


「A様っ」


『……お気になさらず』


私は続けた。


『託したいことは"弟や兄、想いの人、周りの仲間達"に託します。彼らがなんというかは分からないけれど笑』


私は何故か少し笑えた。
私の言った通り継いでくれるかなんて
わかりっこないのだから。


その中で言えるなんて
自分は自信があるのかなぁ


『……まあ、本当に私が居なくなるまではこれからもよろしくお願いしますね』


「……ッよろしく、お願いします」


医師の方は
頭を下げて部屋を出ていった。


sn「……ッ」


『ペ神』


私が名を呼べば
彼はこちらをむく。


『みんな受け取ってくれるかな。継いでくれるかな』


私の不安は募るばかり。
ただ不安で仕方がなかった。


sn「きっと…きっとッ…継いでくれるよッ」


彼の涙は
私の手を濡らしていく。


『……そっか。じゃあ、私安心だね』


私は、
不安が晴れることはないけれど。


きっと大丈夫だろう。


『……"死ぬまでよろしくね"』


sn「…………う、ん」


嗚呼、ごめん。
ごめんなさい。


『(泣かせちゃってごめんなさい)』

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葵羽/きう(プロフ) - ぽんさん» ご報告ありがとうございます。今後このようがないように気をつけます。 (2021年3月20日 23時) (レス) id: a2bb5f4728 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葵羽/きう | 作成日時:2021年3月20日 23時

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