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fk「どういう意味だよ」
ab《俺ね、ラウールに見せてあげたいものがあるの。でも、ラウールだけ来てって言っても来てくれないでしょ? だからみんなで来てよ》
突然名前を出されたラウールの表情が硬くなった。阿部の意図が全く分からずに恐怖を感じた。
ru「……見せたいものって何」
ab《それは来てからのお楽しみだよ。ねえ、来てくれる?》
ru「他のみんなはどうするの」
ab《んー、邪魔だから潰すよ》
sk「っ……!!」
ru「……だったら最初から一人で行く。どこに行けばいいの」
fk「ラウール!!」
宮舘たちの話を聞いた以上、ラウールは阿部の誘いを断るつもりは無かった。他のメンバーを危険な目に遭わせるくらいなら一人でも行く。
どうすれば良いのかは分からない。しかし、絶対に阿部を止めなければいけない。救えるのなら救いたい。
しかしそれはラウールだけではなく、全員の意思だった。
iw「絶対一人でなんか行かせねえぞ」
fk「行くなら全員だ、一人で行くなんて許さない」
dt「みんなで行くなら案内役は必要でしょ。ここに二人いるよ」
sk「っ……俺も行かなきゃ……阿部ちゃん、止めなきゃ」
次々と決意を口にするメンバーを見て、向井が躊躇いがちに口を開いた。
kj「俺も行きたいけど……めめ、どないしよ」
向井の腕の中で小さくなった目黒に目線が集まる。
Utopiaの拠点と言う事は、目黒がA-chipを埋め込まれ、ずっと幽閉されていた場所と言う事だ。そんなところに連れて行けば目黒の精神はどうなるか、想像に難くない。
しかし、全員の懸念をよそに目黒は答えを出した。
mg「……行く」
fk「めめ、」
kj「無理したらあかんて」
mg「してない、」
kj「……ほんまにええの」
mg「行く」
目黒ははっきりと言い切った。何か思うところがあったのか、しかしそれについては誰も聞かなかった。なんとなく、聞かない方が良い気がした。
ab《そろそろ話し合い終わった?》
fk「……終わったよ、全員で行く」
ab《そう。じゃあ今すぐにでもおいでよ。こっちはもうおもてなしの準備できてるから》
iw「おもてなしって……」
ab《ふふっ、楽しみに待ってるね。じゃあ後でねー》
阿部は、友達とのやりとりを終わらせるかのように電話を切った。全員が互いの目を見た。
何が待っているかわからない。誰が無事に帰れるか分からない。でももう後には戻れない。
行くしかない。Utopiaを、阿部を止めるために。
iw「……行こう」
岩本の号令で全員が動き出した。
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ふわふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の最後まで展開が読めなくて魅入ってしまいました。読んだ後は言い表せない気持ちになって…終わってしまうのは寂しいですが、この作品に出会えて良かったです。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫茶(プロフ) - 最後まで面白かったです。完結お疲れ様でした。ものすごく楽しい時間をありがとうございます。今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月16日 0時) (レス) id: 49683351d4 (このIDを非表示/違反報告)
87(プロフ) - 完結お疲れ様でした！本当に大好きな作品で、終わって欲しくないとすら思っていました、、なんだかすごく大きな問いを私たち自身にも投げかけられたような気分です。楽しませていただき、本当にありがとうございました！今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月14日 17時) (レス) id: 14f6dae557 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 完結お疲れ様でした！めちゃめちゃ面白かったです！毎日楽しみにしてました！ありがとうございました！ (2020年6月14日 14時) (レス) id: c32ac9b701 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 完結お疲れ様です!!怜さんの作品の更新を毎日楽しみにしてました!!またいつかこういう能力系などのすごい作品が作られるのを待っています!! (2020年6月14日 13時) (レス) id: f176b79d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月5日 21時
