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ラウールが初めて阿部の病室に足を踏み入れると言う事で、第零班全員で阿部の病室を訪れた。
相も変わらず、阿部はその目を開く事は無い。
ラウールは眠りにつく阿部を見て涙を浮かべたが、その手を佐久間がそっと握った事で、少しずつ落ち着きを取り戻した。
ru「……阿部ちゃん、」
静かに口を開いたラウールに、阿部を囲むように座る全員が耳を傾けた。
ru「僕ね、やりたいことがあるんだ」
まだ誰にも言っていなかった事を、ラウールは初めて口にした。
ru「まず、この世界に散らばったA-chipを全部集める」
Utopiaが隠し持っていたA-chipは第零班が回収した。それでもまだ全てが揃った訳では無い。
まだこの世界のどこかで、A-chipが誰かの人生を狂わせているかもしれない。
ru「もしA-chipが全部集まったら……全部壊す」
sk「え……?」
iw「……ラウール」
kj「ちょ……ちょっと待って」
ラウールの決意に向井は思わず口を挟んだ。
kj「全部壊すって……いや、それを否定するつもりは無いねんけど……めめと、ダテはどないすんの」
dt「……心配しなくて良いよ」
その疑問に答えたのは、ラウールではなく宮舘だった。
dt「簡単だよ、俺が死ねば良い」
nb「っ……!!」
iw「待ってそれは、」
mg「……死ぬ、」
宮舘への反論は、死ぬという言葉に反応した目黒に止められた。
久々に聞こえた目黒の声に、思わず全員が口を閉ざした。
mg「……死ぬの、」
dt「……A-chipを全て壊すためには、俺たちは死なないといけない」
mg「殺して……くれる」
dt「……その時が来たら、だけど」
目黒はその答えを聞いて、口元を両手で覆ってくすくす笑い始めた。
死に取り憑かれた彼は、死の宣告によってようやく人間らしい表情を見せた。
隣にいた向井は思わず目黒の体に手を回した。
A-chipをこの世から消すためとはいえ、目黒を、宮舘を死なせたくは無い。
その思いは第零班全員が、ラウールが抱いている。
ru「……続き、話しても良いかな」
目黒の笑いが収まった。
視線が集まったのを合図に、ラウールは再び話し始めた。
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ふわふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の最後まで展開が読めなくて魅入ってしまいました。読んだ後は言い表せない気持ちになって…終わってしまうのは寂しいですが、この作品に出会えて良かったです。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫茶(プロフ) - 最後まで面白かったです。完結お疲れ様でした。ものすごく楽しい時間をありがとうございます。今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月16日 0時) (レス) id: 49683351d4 (このIDを非表示/違反報告)
87(プロフ) - 完結お疲れ様でした！本当に大好きな作品で、終わって欲しくないとすら思っていました、、なんだかすごく大きな問いを私たち自身にも投げかけられたような気分です。楽しませていただき、本当にありがとうございました！今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月14日 17時) (レス) id: 14f6dae557 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 完結お疲れ様でした！めちゃめちゃ面白かったです！毎日楽しみにしてました！ありがとうございました！ (2020年6月14日 14時) (レス) id: c32ac9b701 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 完結お疲れ様です!!怜さんの作品の更新を毎日楽しみにしてました!!またいつかこういう能力系などのすごい作品が作られるのを待っています!! (2020年6月14日 13時) (レス) id: f176b79d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月5日 21時
