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それから、多くの人々の協力と犠牲の上に、阿部がconfusionの技術を確立させたのは二年後の事である。人間とchipの相性さえ合えば、副作用なくconfusionを行えるようになった。
しかし、相性はconfusionしてみなければわからない。普段使っていたchipをconfusionしても、それが相性の良いchipだとは限らない。渡辺が上手くいったのは偶然だった。
第零班が設立されたのは、阿部たちがconfusionの研究に励んでいる頃である。設立当初のメンバーは岩本と深澤のみだった。
第零班の話を聞いて、初めて阿部はA-chipの存在を知った。
第零班の設立に携わっていたのは阿部の父親であり、阿部は勿論、宮舘や渡辺もA-chipについては何も聞かされていなかった。
阿部たちはその話を聞いて、A-chipについて調べるようになった。
現在量産されているchipが開発されるより前、一番最初に開発されたのがA-chipだという。量産型のchipはA-chipを元に作られた。
A-chipは極稀に存在したという能力者の血液から作った、などという、最早都市伝説とも言い難いような記述が資料にはあった。阿部たちはそんな記述を鵜呑みにはしなかったが、他の資料も見つけられなかった。事実がどうなのかは何も知らない。
A-chipは危険で強力な能力を秘めていたために、阿部の一族の研究所で厳重に保管されていた。
しかし、A-chipは数年前に何らかの原因でこの国のどこかに散らばったらしい。その事件に関する資料も無かった。とんだ不祥事だ、隠蔽されたのだろう。
いくら26枚しかないとはいえ、使用するだけで最悪死に至るような危険なchipが世に出回れば。ましてや、万が一悪用されれば。それを懸念した研究所が国に事情を説明し、第零班の設立を依頼した。
その際に白羽の矢が立ったのが岩本と深澤である。
岩本と深澤は元々警察の人間であり、その身体能力や洞察力を買われて第零班に抜擢された。
そういえば聞こえは良いが、若くして頭角を現した二人を妬んだ上の人間が第零班に彼等を追いやった、と言う方が正しい。
岩本と深澤は、研究所で回収していた「Heal」と「Violence」、そして専用のグローブを支給されて第零班としての活動を開始した。
このグローブを作ったのは阿部、と今では認識されているが、これが事実である。
第零班に阿部と渡辺が潜り込んだ際、自分の身元を特定されるリスクを極力排除するために、阿部は研究所絡みの記憶を渡辺に操作させたのだった。
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ふわふわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の最後まで展開が読めなくて魅入ってしまいました。読んだ後は言い表せない気持ちになって…終わってしまうのは寂しいですが、この作品に出会えて良かったです。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫茶(プロフ) - 最後まで面白かったです。完結お疲れ様でした。ものすごく楽しい時間をありがとうございます。今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月16日 0時) (レス) id: 49683351d4 (このIDを非表示/違反報告)
87(プロフ) - 完結お疲れ様でした！本当に大好きな作品で、終わって欲しくないとすら思っていました、、なんだかすごく大きな問いを私たち自身にも投げかけられたような気分です。楽しませていただき、本当にありがとうございました！今後の作品も楽しみにしています。 (2020年6月14日 17時) (レス) id: 14f6dae557 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 完結お疲れ様でした！めちゃめちゃ面白かったです！毎日楽しみにしてました！ありがとうございました！ (2020年6月14日 14時) (レス) id: c32ac9b701 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 完結お疲れ様です!!怜さんの作品の更新を毎日楽しみにしてました!!またいつかこういう能力系などのすごい作品が作られるのを待っています!! (2020年6月14日 13時) (レス) id: f176b79d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月5日 21時
