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いつからこうなったのか、なんでこうなったのか。もう何も覚えていない。
こんなに脆くて、不安定で、気持ち悪い人間じゃなかったはずなのに。
細胞の一つ一つまで、脳の奥まで、骨の髄まで洗えば元に戻れるのだろうか。そんな事すら考える。
誰もいないはずの真っ白な部屋で、楽しそうな笑い声が聞こえた。
声がする方を見ると、鏡の中の自分が笑っている。
化け物、そう言ってこちらを指差して嗤っていた。
「違う……違う、違う」
言い聞かせるような声は鏡の中には届かない。耳を塞いでも声が脳にこびりつく。
＿＿違う、俺は人間だ。化け物じゃない……! 違う! 黙れ!! 黙れ黙れ黙れ!!
「っ……あああああッ!!」
力任せに鏡に拳をぶつけた。忌々しい嗤い声が、嘲る自分がひび割れて消えた。
流れる血を見て、彼の心は落ち着いていく。
＿＿ほら、俺の血は赤いんだよ。みんなと同じでしょ?
拳に刺さった硝子の破片を抜く。滲んでいくものに舌を這わせて、自分の存在を確かめる。
＿＿同じ色。同じ味。みんなと一緒。ほら、俺は人間だよ。そうでしょ? そうだよね?
「また不安になった?」
聞き慣れた声がして顔を上げると、いつの間にか傍らに男が立っていた。
こんな自分を助けてくれた人。見捨てないでくれて、ずっと寄り添ってくれる人。
「じゃあ、これ飲んでみなよ。不安を取り除いてくれる魔法の薬」
そう言って渡された透明な小瓶。赤い丸薬がいくつか入っている。
「だいぶ落ち着くと思うよ。大丈夫、効果抜群だから」
小瓶を握らせて微笑むと、男は行ってしまった。
血液みたいに赤い薬。不安を取り除いてくれる、魔法の薬。
あの人がくれたんだからきっと良い薬だ。そう信じ切って、その薬を一粒飲み込んだ。
「っあはは……あははははははははは!!」
その後の彼の記憶は、無い。
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怜(プロフ) - いきるちゃんさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けてとても嬉しいですありがとうございます! 書けば書くほどシリアスになっていくんですけど…笑 どうか最後までお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年5月18日 23時) (
レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
いきるちゃん(プロフ) - はじめまして！今の生活で1番楽しみにしている事がA-chipを読んでいる時間といっても過言ではありません！当方宮舘担なので、もう湧きまくりですよ(いいため息)こういう役どころのドラマとか現実でも来て欲しいと思ってます笑 これからも更新楽しみにしております (2020年5月18日 21時) (レス) id: 0fef891ab6 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - さなさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けると凄く嬉しいです! 今後ともよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます! あの2人にはいろいろあります、今は何も言えないですけど() ありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
さな - とても面白くて読むのが楽しいです！これからも頑張ってください！応援してます！これからも！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 40c01c4cba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年5月10日 16時
