キュウケツキ/1 ページ26
家を飛び出したラウールは、あてもなく夜の街を彷徨い歩いていた。
そういえば、1人で外に出るのは何時ぶりだろう。無性に寂しさを感じる。
第零班に入ってから、過保護なメンバーに囲まれたせいでどこへ行くにも誰かが一緒にいた。それが今は独りきり。
＿＿いや、寂しいなんて思っちゃいけない。僕はあそこにいちゃいけないんだもん。
いつの間にか住宅街から外れた場所まで来ていた。流石に恐怖を感じるようになってきた。
誰かに襲われたらどうしよう。帰りたい。でも帰る場所なんて無い。そんな思いがラウールの胸中を渦巻く。
そんな不吉な事を考えたからだろうか、背後からかけられた声に背筋が凍った。
「……「Zero」?」
ただ声をかけられた訳でも無く、名前を呼ばれた訳でも無く、「Zero」と呼ばれた事にラウールは震えた。
第零班のメンバーの声じゃない。なら自分を呼んだのは……Utopiaの人間。
ゆっくり振り返るとそこに立っていたのは見知らぬ男。目深に被ったフードで顔はよく見えないが、宮舘と同じ黒いチョーカーとくすくす笑う口元は見えた。
男のグローブは黒。つまり普通のchip。逃げるべきか、対抗すべきか。
考えていると男が指の腹を噛み始めた。何をする気か分からないが、何かしてくるつもりなのは間違いない。
襲ってくるなら無効化させるまで。ラウールはchipを装着しようとしてポケットに手を入れた。
全身の血の気が引いた。持ってきたはずのグローブがない。chipもない。全身に鳥肌が立ち、足がすくんで動けなくなる。
＿＿確実に持ってきたはずなのに。無くした? どこかで落とした?
ラウールが慌てている間に、男は血の付いた手で銃を握っていた。男の口角がさらに上がるのが見えた。
逃げなきゃ。そう思ってももう遅い。
ru「っ……!!」
「……ははっ」
動けないラウールの左足に銃弾がめり込んだ。
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怜(プロフ) - いきるちゃんさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けてとても嬉しいですありがとうございます! 書けば書くほどシリアスになっていくんですけど…笑 どうか最後までお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年5月18日 23時) (
レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
いきるちゃん(プロフ) - はじめまして！今の生活で1番楽しみにしている事がA-chipを読んでいる時間といっても過言ではありません！当方宮舘担なので、もう湧きまくりですよ(いいため息)こういう役どころのドラマとか現実でも来て欲しいと思ってます笑 これからも更新楽しみにしております (2020年5月18日 21時) (レス) id: 0fef891ab6 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - さなさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けると凄く嬉しいです! 今後ともよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます! あの2人にはいろいろあります、今は何も言えないですけど() ありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
さな - とても面白くて読むのが楽しいです！これからも頑張ってください！応援してます！これからも！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 40c01c4cba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年5月10日 16時
