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病室で目を閉じるラウールを見て、第零班のメンバーは黙りこくっていた。
ラウールがいなくなった事に気づいたのは阿部だった。寝付けずにいると誰かが外に出た音が聞こえ、確認してみるとラウールの靴が無かったのだ。
阿部は急いで近くの防犯カメラをハッキングし、ラウールの居場所を見つけて家を飛び出した。そうして見つけたラウールは襲われていた。
しかも、相手はおそらく「吸血鬼」。逃げられたが、意識のないラウールの前でそんな事はどうでもいい。
急いで助けを呼び、他のメンバーを起こして今に至る。向井がいない夜に、そもそもぐっすり眠っている者はいなかった。
どうしてラウールが独りで家を出たのか。今日の出来事が彼をどれだけ苦しめたのか。
多感な16歳の感情は、想像していたよりもずっと繊細なのかも知れない。
深澤は責任を感じていた。やっぱり班長としてラウールを現場に連れて行くべきではなかった。
ラウールの熱意に押され負けた事を、苦しい思いをさせた事を酷く後悔していた。
iw「……ふっか」
fk「何」
iw「独りで抱え込むなよ」
深澤の胸の内を察して岩本が言った。隣で渡辺も頷く。
fk「……でも」
sk「ラウールがこうなったの今日の仕事のせいでしょ。だったら俺たちも悪いんだから」
ab「そうだよ、仕事の時にラウールを引き留められなかったのは俺たち全員の責任」
佐久間と阿部にも加勢され、深澤は開いた口を一旦閉ざした。
ただ、深澤が気にしているのはラウールの事だけでは無かった。
fk「……康二に、なんて言おう」
iw「あいつも自分の事責めるよな……」
sk「隠せ……ないか」
この事を向井が知れば、確実に向井は自分を責める。
向井は明日には退院する。ラウールがそれまでに退院する事は勿論、目を覚ますかどうかも分からない。ラウールが襲われた事を向井に隠し通す事は出来ない。
ab「……隠せないなら正直に言うしかないんじゃない、メンタルケア頑張るしか」
iw「そうするしかないよな……」
fk「……ったく、どいつもこいつも気遣い過ぎるというか、優しすぎるんだよな」
iw「お前が言うな」
fk「うるせえ」
普段ならここで笑ってくれそうな彼は目を閉じたままだった。
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怜(プロフ) - いきるちゃんさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けてとても嬉しいですありがとうございます! 書けば書くほどシリアスになっていくんですけど…笑 どうか最後までお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年5月18日 23時) (
レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
いきるちゃん(プロフ) - はじめまして！今の生活で1番楽しみにしている事がA-chipを読んでいる時間といっても過言ではありません！当方宮舘担なので、もう湧きまくりですよ(いいため息)こういう役どころのドラマとか現実でも来て欲しいと思ってます笑 これからも更新楽しみにしております (2020年5月18日 21時) (レス) id: 0fef891ab6 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - さなさん» コメントありがとうございます! そう言って頂けると凄く嬉しいです! 今後ともよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます! あの2人にはいろいろあります、今は何も言えないですけど() ありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします! (2020年5月15日 17時) (レス) id: e493e73fbb (このIDを非表示/違反報告)
さな - とても面白くて読むのが楽しいです！これからも頑張ってください！応援してます！これからも！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 40c01c4cba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年5月10日 16時
