作戦実行の時 ページ9
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「んん、もう朝………」
「おはようございます、Aさん」
Aさんは目を覚ましては、欠伸を一つ
僕の声が聞こえたのか
彼は僕を見つめ、口を開ける
僕がこの部屋に入ってきている事を不思議そうに思うような顔
見ていて実に面白い
「な、なんでアズールくんが、ここに………？」
「昨日ここまで運んだのは誰だと思ってるんですか」
「え、ええっと……？
イデアの部屋で、寝て………なんで僕ここに……？」
「僕が運んだんですよ！！全く………」
状況を理解しようとしない彼に呆れる
寝起きだから仕方ないのか
彼だから仕方ないのか
そんな事は置いておいて
本題に入るとしましょう
「なぜ、Aさんはイデアさんの部屋で寝たんですか……？」
「しゅ、習慣だから……？」
「質問を変えます。なぜイデアさんの部屋で寝ると決めたんですか
貴方の寮はここでしょう、寝るのもなにかを食べるのも好きにすればいい」
「だ、だけど………えっと………」
責めるように彼に言ってしまえば
黙り込んでしまう
少しやりすぎた、なんて後悔しながら
僕はAさんに近づく
そして
優しく抱きしめる
「なにか悩み事があるならば僕に話せばいい
貴方なら特別に、対価なしでなんでも叶えて差し上げましょう」
その言葉を聞けば、誰もが目を輝かせ僕に縋る
ボディータッチは恋を実らせる物には必要不可欠という事が
昨日、調べてわかった
早速、彼の反応を見ようと離れてみれば
彼が抱きしめ返してきた
「ちょ、Aさん……？」
「アズールくんがこんなに頼りに思えるなんて……
あと、いい匂い………」
「……あぁ、コロンの事か………」
表情は見えないが、とても弱っている人の言い方で
僕の肩に顔を埋めて、強く抱きしめた
………思えるなんて、という言葉は余計ですが
まあ良しとしましょう
僕だって
貴方のこんな一面がまた見られるとは思いませんでしたから
「さあ、Aさん。
お願いをどうぞ」
「お願いなんて特にないけどなー…うーん……
笑わないなら話してあげてもいいよ」
「笑うわけ無いでしょう」
「ホント……？嘘ついてたら許さないからね」
「本当ですよ……ほら、早く言ってください」
僕は急かすように言った
お願いはないが悩みがある様子
いいだろう
その悩みも僕がすぐに消し去ってみせよう
「僕、一人で寝られないの」
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作者名：F . | 作成日時：2024年2月4日 23時
