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「はーっ!終わったぁ……
久しぶりにこんなに集中した……」
「信じたくないですが、もしかして貴方
いつも授業中は寝ています……?」
「正解でーす……」
後に彼は
《授業はめんどくさくて、自習してたほうが楽なんだ》と言い訳をする
授業は勉強するだけでなく、個人の得点も稼げるというのに
先輩方の考えはよくわからない
……先輩じゃなくて
Aさんだけかもしれないが
ふと、周りから友達を食堂に誘う声が聞こえた
もうそんな時間に、
なんて、思ったよりも時間の進みが早い事を驚くように思い
隣であくびをしているAさんの方をじっと見る
僕の視線には気づきもしない
これじゃあ、いつまでたっても僕の元へは来ないだろう
………大丈夫
こういう《時間をかけなければならないこと》には慣れている
「……ところでAさん、この後はどうするんですか…?」
「ご飯食べるけど……?」
《一緒にどうですか》なんて誘おうとした時
彼のスマホの着信音が鳴る
遠くからは聞こえづらいが
近くにいたら丁度聞こえるような
そんな音量の
Aさんは
まだ話の終わっていない僕を放って、スマホを急いで確認した
確認し終われば、Aさんはこの場から去ろうと立ち上がる
いけない
ここで逃がしてしまえば、アプローチのチャンスが………!
「ど、どこ行くんですか……?
話はまだ終わっていないんですけど……」
「ごめん、友達からご飯誘われて……、続きお願い」
「…………お友達って、誰なんです……?」
ここまでくれば嫌でも気になってしまう
本当は知らない方がいいんだろう
きっとその方が、僕の為にもなる
だけれど、引き下がってはいられない
聞いて、聞いて
僕なりにアプローチしなければいけないんだ
「イデアくん、だけど………」
「は………?」
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作者名:F . | 作成日時:2024年2月4日 23時