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４時限目 魔法史
今日は１日中３年生と合同授業なようで
生徒の皆さんは嫌そうに足を動かす
丁度
Aさんの隣に誰もいない状態で座っているのが見え
僕は近づいた
「Aさん、お隣よろしいですか？」
「アズールくん、また一緒の授業なんだね
隣が僕でよければ、どうぞ」
Aさんはいつものように
優しい笑顔で僕に言ってくれた
正直、僕はこの笑顔は好きじゃない
授業に入り、僕は黒板に集中する
Aさんも見た目は優秀そうですし
きっと僕と同じように集中しているだろう
そう思って彼の方を見れば、案の定
すやすやと気持ちよく寝ていた姿がそこにはあった
まるで生まれたての稚魚のような……
可愛らしく、とても初心な寝顔
この寝顔を写真に……
………って、僕は一体何を考えているんだ
授業に集中しろと伝えなければ
そう思い、
体を揺すって起こそうと、手を伸ばし
彼の頬に触れる
………？
なぜ今僕は、彼の頬を……？
体を揺すって起こそうとしていたのに
頬だなんて
これじゃ彼を起こせやしない
「……ぷにぷにしています、もっと……」
触っていたい
「………そこ、早く起こしてやりなさい
そして授業に集中するように」
先生に指摘され
僕は心地よい頬を触っていた、天国のような世界から
いきなり現実世界に戻され、彼を起こそうと肩を掴んだ
揺すれば彼は目を覚ます
「………あれ…僕寝てた……？」
「はい、寝てましたよ」
「アズールくん……あはは、おはよう……」
寝ぼけた声で挨拶をするAさん
寝起きなのか
締まりの無い笑顔で僕を見つめる
ああ、いけない
見惚れるところだった
「今授業中なんですよ、睡眠管理はちゃんとしてください」
「ごめんなさい、寮長……」
素直なのか、どうなのか
いつもの彼を知らないから断定は出来ないが
この状態を《素直な状態》と言っても間違いとは言われないだろう
僕に注意されては、わかりやすく悲しそうにした
「………頑張れば、今日のモストロ・ラウンジには行かなくていい」
「それ本当…？」
「えぇ、本当ですよ
この僕が嘘をつくとでもお思いで……？」
その言葉を聞いては、
Aさんは嬉しそうに目を開いては
授業に集中するように黒板の方へ視線を移した
彼の視線が僕に向かなくなると
少しだけ寂しく感じるのは気の所為だろうか
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作者名：F . | 作成日時：2024年2月4日 23時
