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約束の夜になるまで
僕は必死に案を考える
甘い味を考えて
スープにするために工夫する
それの繰り返し
試行錯誤しては
良いもの、悪いものにわける
「１０種類試して２種類しか、良いのが出てこないとは……」
何度か試してみるが、スープにするには少し難しい
それを改めて知り、
苦戦していた
また徹夜コースだろうか
でもそれは流石に……
「今日はAさんとの約束もありますし…
なんとか、今終わらせなければ……」
「その約束とは……？気になります」
独り言を呟いていれば、
横から
いつの間にか居座っていたジェイドが声をかけた
気配も、ドアのノックの音もしなかったが……？
「なっ、ジェイド…！
入る時はドアをノックして入れと……！」
「何度もしましたよ。聞き取れなかったアズールが悪いです
耳鼻科に行くことをオススメします」
「お前はいつも、一言余計だな……！」
本当にしていたか、疑うが
ジェイド、本人が言うなら
信じるしか他ないだろう
「……それで、Aさんとの約束とは、一体？
契約と言わない辺り、訳ありのようですが…」
「言いませんよ、Aさんには誰にも言うなと言われていますので」
「へぇ、契約でしか守らないアズールが……約束ごときでこうも口を堅く……
Aさんとは、どういうご関係で……？」
「お前に関係ないだろう……！」
根掘り葉掘り聞かれるものだから
相手をするのが面倒になり、
僕はどうにかして言葉を遮るように
声を上げて、この話を終わらした
これ以上聞かれると、こちらもボロを出してしまいそうだ
彼のことを、好いている事を知られれば
きっとあいつは笑いものにするだろう
下調べもされないよう、
《これ以上、僕とAさんについて、深く足を踏み入れるな》と
注意喚起をする
「……ジェイド、ここには用があって来たんでしょう？
早く言いなさい」
「はい、わかりました」
するとジェイドは
机いっぱいに、沢山の
《何かが書かれた資料らしきもの》を広げてみせた
それの１つを手に取ると
ジェイドは僕の目をじっと見つめ
にやり、と笑みを浮かべた
「いい案が浮かんだんです、こんなに沢山と
きっと彼に気に入られるはずですよ」
「な゙っ」
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作者名：F . | 作成日時：2024年2月4日 23時
