貴方の好み ページ16
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食堂にて
アズールはAを探すように
辺りを見渡す
彼は生徒の中でも、結構目立つ容姿をしている
きっと、
僕でもすぐに見つけることができるはず……
「あ、いた」
「こんにちは、Aさん
少し遅かったですね？なにかあったのですか？」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえて、
振り返る
そこには僕の背中を指差すAさんがいた
「お、遅れてごめん……トレインの授業、長引いちゃって……」
「珍しですね？」
「ね、寝た分の授業内容を覚えるまで帰らせてくれなくて……
まあすぐに覚えれたけど……」
「それはまぁ、自業自得な………」
「うるさ………」
Aさんは《早く座ろ》と言い
僕の袖を引き、歩く
二人分、空いている席があり、
僕達はそこに対面するように座る
「では、取ってきましょうか」
「一時解散……？」
「絶対に戻ってきてくださいよ
僕との食事が嫌とか、またイデアさんの部屋で寝たいと思っても」
「戻ってくるよ、当たり前でしょ
………それに、約束だし………ね、？」
察してほしい、というように
彼は僕の目をじっと見るめる
嫌でもわかってしまう
「では、また」
「はーい」
軽い言葉を交わし、僕は食事するための食べ物を取りに行った
「ただいま」
「おかえりなさい、Aさん」
僕はAさんよりも早く取り終わり、席につく
それから５分後
Aさんが帰ってきた
「じゃあ、いただきます………」
「ちょっと待ってください、Aさん」
「………何、？」
僕はAさんの食事を見ては
食べ進めようとする手を止めた
なんという不健康な食事
オクタヴィネル寮生ならこんな食事はしないと思っていたのに………
「なんでスープ系の物ばかりなんですか………！！
しかも、具なしだけ集めてますね、これ！！」
「僕の好きにさせてよ……
具は疲れるんだよね、だから飲むだけで済むやつを……」
「イデアさんでもそんな食生活はしていませんよ……」
「なんでイデアくんと比べるの…」
僕がちゃんと食べさせなくては
そう思い、自分の取ってきたサラダを少しだけ
彼の皿の上に置いた
彼はすごく嫌そうな目で、サラダを見る
そんなに食べたくないか………？
「さあ、食べてください
味は嫌いじゃないんでしょう？」
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作者名：F . | 作成日時：2024年2月4日 23時
