格好いいアズールくんは獣で怪物！ (ページ12)

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１時限目体力育成

苦手な科目だ

「じゃ、ジャミルさんは平気そうで………羨ましい限りです」

「口より手を動かせ、アズール」

「それが出来たらどれだけいいことか………」

「得意の努力を活かしたらどうだ？
　お前ならすぐにできるだろう」

「今日はよく言いますねぇ」

走り込み

腹筋

運動は得意な方ではない

「あと１０分で、授業も終わる………」

「だがさっさと成果を出さないと補習だぞ」

「無理ですよ………補習でいいです………」

もう走る体力もない

残り５周…
この僕にできるはずがない………

すると遠くから
聞き覚えのある声が僕の名を呼ぶ

この声はたしか…………

「あ、アズールくん……！！」

「Aさん………！？」

手を大きく振り
走ってこちらに来るAさん

授業を抜け出して来たのか……？

なんのために………？

彼が右手になにかを強く握りしめている

彼がこちらに来れば
その強く握りしめていた手を広げた

そこにあるのは、綺麗なスカイブルーの小さな宝石だった

「こ、これあげる…！今さっき授業で作って………」

「なぜ僕に……？他にもあげる人なんて沢山いたでしょうに……」

「え、えっと…！今日悩み事を聞いてくれたお礼として受け取って……！」

「そういうことなら、受け取りましょう」

僕は彼から宝石をもらう

綺麗な物を集めるのは好きだ

それを彼は知っていて、僕に渡したのか
本当にただお礼がしたくて渡したのか

どっちにしろ嬉しい

彼の脳内に僕がいることが

そう考えると
とても心地よい気持ちになる

「………今のお前、すごく気持ち悪いぞ」

「失礼ですよ、ジャミルさん
　素敵な顔だと言ってください」

「思考も気持ち悪いときたか」

「…………恋って、大変なんですね」

本当にそうだ

いつもなら

すぐに好きなものを
奪いたいものを手にすることができるのに

今回の件に関しては全然うまくいかない

振り回されてばかりだ

人間は人に恋をすると頭が悪くなるらしい

それは、本当のようで
酷く落ち込むときもありましたが

それも彼のせいで、と考えると
少しうれしい気がして

ああ、僕は本当に馬鹿だな

「お前が恋を語るなんてな、明日は大雨か」

「本当に失礼ですね……ジャミルさん」

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