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「Aさんの悩みを解決するのは、誰かと一緒に寝る必要がある……」
「う、うん………ざっくりまとめると、そうなるね……」
一人で寝られないのだから、そうするしかない
だがお気に入りの蛸がいるならばよいのでは………
と考えてしまう
そういえば
蛸とAさんは毎晩一緒に寝ている、ということは
この人形はどんなAさんの表情も、言葉も
全て聞いてたり、見てたりするのか………？
この寮の寮長の僕を抜いて………？
…………ずるい
彼に気に入られているところも
彼の全てを知っているような表情も
………変な嫉妬はやめてしまおう
あの人形を超える存在になればいい
だからこの悩みには
「ですので、僕と一緒に寝ませんか………？」
「へあっ………！？
あ、アズールくんが僕と………？い、いいの………？」
「えぇ、別にいいですけど
なにか問題でも……？」
「あ、アズールくんが他の人と寝るなんて………思いもしなかったし……」
間違いはないし
人と寝るのは大嫌いだ
だけれど
彼の悩みなら
願いとなるならば
そして、彼と親しき存在になれるのなら
一緒に寝るのは、むしろ好都合である
「っと、もうすぐ１時限目が始まるね
行こっか、アズールくん」
「！、はい」
彼にリードされ、共に歩く
確か今日は、どの授業でも
合同授業はなかった
………この前のように彼とは一緒に授業ができないのか
少し残念だ
「お、お昼ごはん、一緒に食べない………？」
「Aさんから誘ってくださるなんて
嬉しい限りです」
本当に嬉しい
彼が美味しそうに食べる姿を目にできるとは
あの人形はまだ見たことがないだろう………
早くお昼の時間にならないか
ただそれだけを望むのであった
「そ、それじゃ、アズールくん……またね」
「はい、また会いましょう」
Aさんが可愛らしく手を振ってくれたので
こちらも振りかえした
すると
恥ずかしそうに顔を赤らめ
この場から去っていった
「なんだ………？今の反応は……」
彼から見れるとは思えない一面に
また心臓を動かされる
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作者名：F . | 作成日時：2024年2月4日 23時
