無かった気持ち ページ2
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彼に目を奪われたのは最近のこと
いつかの部活時間
昨日と変わらず僕は部室へ行く
そこには先にボードゲームの準備をしている
青色の、燃えるような髪をしている先輩がいる
「イデアさん、今日も………」
《宜しくお願いします》
挨拶をしようと思ったが、僕は別のことに意識を向けてしまった
イデアさんの前に座る彼、
オクタヴィネル寮、寮生の３年生 Aさん
ボードゲーム部に新しく生徒が来るなんて珍しいことで
彼のような
ゲームとは無関係な人が来るとは思わず
僕は数秒間、呆然と立ちつくしたままだった
「あー……アズール氏に紹介しますわ、
君のとこの寮生の、A氏
最近ゲーム仲間としてここに来てもらってる……」
「アズール寮長、お邪魔してます」
Aさんは優しそうに笑う
この学園にそんな風に笑える人がいたんだ
そう思っては、心が少し締め付けられる思いに駆られる
今日の僕はどうしたんだろう
「あぁ、貴方ですか
ボードゲームは良くする方なんですか？」
一つ、気になったことを質問してみる
この方に特別なにか、他の人より優れたものはないが
一応、探りを入れておくに越したことはないだろう
僕の質問にAさんは気軽に答える
「少しだけ、
こんな部活があると知ったのも、最近のことで……」
「A氏はボードゲームじゃなくてネットゲームの方ですからなぁ……
ボス戦のあのときはお世話になりましたわ
……そうだ、アズール氏、
A氏と一回だけ対戦してみてよ」
イデアさんにそう言われ、試しにAさんとゲームをすることに
Aさんのことを考えて、簡単なリバーシをすることにした
ルール説明をして、《自分でもできそうだ》と、Aさんは笑顔で言った
………僕を誰だと思っている
この部活でイデアさんを負かせたことのある部員なんだ
ボードゲームに無関係な人に負けるわけにはいかない
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作者名：F . | 作成日時：2024年2月4日 23時
