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🐬 ページ9

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今日はこの町を案内してくれるそうで



少しだけ、らしくない「期待」を胸に

朝から準備を始める




リュックサックとやらに水筒やお弁当
その他、クロシェットさんのお母さんが用意してくれた物を入れる



可愛らしいピンク色の、フリルのついたリュックサックは

僕には到底似合わないもので、最初はそれを拒んだが



後に、クロシェットさんの容姿を姿見で見る限り
……ああ、似合うな、と
自然とそう思えたのであった






真っ白な肌に、混ざる淡いピンク色の髪色

薄い唇はさらに、クロシェットさんを彩る




女性はやはり可愛いものが好き



陸に上がりたてのときに教わった物の一つでもある




クローゼットから出した服は

ほとんどフリルのついた、可愛らしいワンピースだった





改めて、本当に僕は入れ替わったんだと思えた



















「準備が終わりました、おかあさん」

「じゃあ、行こうかね」



















手を引かれ、小さな道を降りていく






この町の名前も、地形も

なにも知らない僕にとっては、真新しい風景ばかりで
すこしだけはしゃいでいた



そんな様子に、クロシェットさんのお母さんにくす、と笑われた



……お恥ずかしい



















「そういえば、今日は祭りがあったねぇ……」

「祭りとは、一体どういう……?」

「神々を称える祭りさ、この町はその神々に見守られて今があるからねぇ……」



















……聞いたことのないものだった






僕が知らない情報なんてあっただろうか?








陸に上がってからは、アズールのサポートをするため

他の町や、小さな町でも調査を怠らなかった



そんな僕が、この町について何も知らない……??



















「……この町の名は、なんですか…?」

「こんな小さな町に名前なんてないよ
 あるとしてもここに住んでる奴らが勝手につけた偽名さ」

「そう、ですか……」



















名もなければ本にも書かれていない




それは、僕も知らないことがわかる







でも、神々に救われた町が載ってなくて
名前がないなんて

そんな事、あり得るのだろうか



少なくとも、本に載っていた町は

昔に大きな出来事や
他の町と変わったことがある町が載っている



この町も、その部類に入るはずなのだが……



















「難しい顔をしなさんな、今日は祭りを楽しもう」

「はい、おかあさん」

















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猫耳(プロフ) - 更新、頑張ってください!((●´ω`●) (11月14日 21時) (レス) @page2 id: 45a95b1035 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:F . | 作成日時:2023年11月14日 13時

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