きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ33)

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目が覚めれば見慣れた景色

仲のいいアズールとフロイドは
僕を抱きしめていた

どういう状況に置かれたのか、よくわかった

僕は２人に伝える
ゆっくりと

「………僕ですよ、ジェイド・リーチです」

「……！お前か、ジェイド……！！」

嬉しそうに僕の名前を呼んでくれるアズール
フロイドも嬉しそうに、僕を抱きしめてくれた

……状況からするに、さっきまでアズールとフロイドは
僕と魂が入れ替わった相手、クロシェットさんといたのだろう

僕がこの体に戻った
それは、クロシェットさんも自分の体に魂が戻ったといえる

とにかく、お互いがあるべき場所へ帰れたことを素直に喜ぶことにしよう

「まずは、寮へ帰りましょうか
　……ジェイド、立てます？」

「アズールが僕のことを心配してくれるなんて、珍しいこともあるんですね」

「立てます」なんて遠回しに言っては
僕はその場でゆっくりと立ち上がる

入れ替わりが起こってしまったせいか
少しだけよろめいてしまう

その様子を見ていたフロイドは
とっさに僕の事を支えてくれた

「あっちであったこと、１からぜーんぶ教えてよねぇ、ジェイド」

「えぇ。フロイド
　貴方が面白いと思える話は沢山ありますよ」

フロイドは嬉しそうに笑って寮へと僕を連れて走っていく

また違う面白さに改めて触れ
僕はなんだか少し

心地よいと思えるようになった

「……クロシェットさんも、幸せだといいんですが」

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