きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ30)

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🐬 ページ30

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「なんのことでしょうか、シェルーン」

このシェルーンさんの反応は「知っている」

大丈夫だ

夢で見てきた

クロシェットさんがする、シェルーンさんへの態度

「とぼけないで、嘘をついたって私にはわかるのよ……？」

「……それは、無駄でしたね」

「ご要件はなんですか？」と、僕は開き直る

きっとこの機会も作ったのは
シェルーンさんだろう

きっと、用があってのはずだ

「今すぐ、私の魔法で
　貴方を元の場所へ返してあげるわ」

そう言うと、シェルーンさんは
こんな僕にも優しく、丁寧に話してくれた

自分は魔法が使えること

立場を入れ替わっている事

など……

「なぜ、入れ替わってるのですか？」

「クロシェットにも、幸せを分けてあげたかったんだ
　森以外の世界と、幸せを」

シェルーンさんが思うクロシェットさんへの思いは本物で
僕が加わってはいけないものだ

だけれど、一度関わってしまったら戻れない………

「それじゃあ、帰ってもらうから」

あぁ、意識が遠のいていく

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