きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ29)

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「………こんな感じでしょうか」

部屋を一通り飾り付け、無事夜を迎えた

廊下と比べ物にならないくらいに綺麗に仕上げた

クロシェットさんがドアを開けた瞬間驚くようにするためだ

彼女は水色が好きだったから、
主に水色の物を目立つように

他の色を使用しながら飾った

きっと喜んでくれる………

――コンコン。

誰かがドアをノックする音が聞こえた

「……シェルーン、少しいいか」

「お父様……？」

ドアを開ける

声も、姿を見れば
クロシェットさんの………

いや、シェルーンさんのおとうさんだ

「今からあの「聖なる森」に行くが……
　シェルーンも一緒に来るか？」

「行きます」

「聖なる森」

それがどこで、どんな場所かはわからないが
夢で見た光景はたしかに森の中だった

行ってみるに越したことはないだろう

「綺麗な森ですね」

おとうさんに着いて行けば
そこは綺麗な緑が太陽の光に照らされ、輝く空間

この中で遊ぶ気持ちもよく分かる

「今日は、どうしてここに……？」

「ここに住む森の精霊に会うためだ」

「森の精霊」……？

なんのことだろうかと思えば
おとうさんは先に道が続く方に視線を移した

そこには………

「……！？！？」

「ようこそ、私達の森へ」

シェルーンさんがいた

クロシェットさんと全く似ている容姿

………やはり、おとうさんには気づかれない様子………

「今日も、いつもの診断を」

「はい、こちらへどうぞ」

診断とは何だろう、と頭を悩ませていると
脳内に直接響く声が聞こえる

「認識を変える魔法を、健康診断として診断してるの」と……

認識とは……

一体シェルーンさんは何を企んでいるのか………

「いつもありがとう、今日はクロシェットの診断もいいか……？」

「わかりました」

そういい、僕は森の奥へと誘導される

薄暗くもなければ、さっきのように明かりも少ない

なんとも言えない空間に、シェルーンさんは振り返る

「……ねぇ、貴方はどこから来たの？」

これはいつものよくする診断の会話なのか

それとも

「入れ替わった僕の存在に気づいている」のか……？

「よそ者がクロシェットの体に入らないでくれる……？？」

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