きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ27)

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🌸 ページ27

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「そうですね、続きを聞きたいものですけど……もう寝ますか」

アズールさんはそう言うと
私を横から抱きしめ、眠りについた

「………！？」

「あ、アズールばっかずりぃ
　オレもする〜」

そう言って、フロイドさんも、アズールさんと同じように
私を抱きしめた

………こんな、見ず知らずの人と寝てくれるだけで
寂しい気持ちも忘れられるのに

ここまで親身に寄り添ってくれるなんて……

あぁ、私

ここに来てよかった……

「おやすみ、いわしちゃん」

「はい、おやすみなさい」

「あれ、ここは………？」

どこか眩しくて

目を開ければ、目の前に広がる景色は

「魚………？」

綺麗な青が広がる海の中だった

海は息ができないと聞いたが
今の私は息ができる

ちゃんと前に進める

私は魚にでもなったのかと

手のひらを見てみたが、
きちんと、今までよく見た手があった

ならなぜ………？？

『――。―！』

『―――！！』

ふと、遠くから誰かの声が聞こえ
振り返る

少し先に、青緑色に光る何かがあった

じっと見ていると、それはこちらに近づいてきて

「人魚………？」

お伽噺でよく聞いた人魚の特徴に似ている二人

人間の顔はあるが
下半身の足はヒレで、

ハーフであるから「人魚」だと

『――ねぇ、ジェイド』

『なんでしょう、フロイド』

聞いたことのある名前で驚いた

フロイドさんに、
今私と入れ替わっている人物、ジェイドさん

そういえば、今の私は
元の姿だ

もしかして、これは夢………？？

そうわかったのは
目の前に起こる状況が

現実とは全く違ったから

『今日ね、面白いもん見っけたの』

『おや、それはどういった物で？』

『じゃーん！人間の靴、ってやつ！』

フロイドさんは手に持った靴をジェイドさんに
自慢気に見せた

そうか

海の中は人間界とは違う

私達が当たり前に持っているものでさえ
珍しいのか………

『おやおや、これはまたすごいものを
　流石ですね、フロイド』

『えへへ、でしょ〜』

『そうです、僕も……』

すると、ジェイドさんは
私の方を指さした

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