きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ25)

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🌸 ページ25

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「アズール！いわしちゃん！準備できたよー！！」

フロイドさんの声が聞こえる

なんの準備ができたのか、
私には到底理解できないものだったが

アズールさんはわかるそうで

嬉しそうに頬を赤く染めては、笑ってうなずいた

「行きましょうか、クロシェットさん」

「えっと、どこに……？？」

「僕の部屋、ベッドへ」

私はそう言われ、ハッとする

アズールさんはさっき「寝る準備」と言っていた

そしてフロイドさんはつい先程まで、
その「寝る準備」とやらをしていたそうで

「ベッド」という単語でわかってしまった

これから一緒に寝るんだと………

「わ、私一人でも寝られます！！」

「一人では心細いでしょう
　そして今貴方は家族などの親戚と離れている身
　………一人意味の分からない世界にいて、不安なのでは？」

………図星だった

アズールさんとフロイドさんの前では

とにかく笑顔でいようと思ったのに

あまりに二人が優しすぎるから
泣き出してしまった

「………貴方の、家族や住んでいた所の話をしたいです
　それでも、僕達と一緒に寝るのは嫌ですか？」

「嫌じゃないです……
　むしろ、楽しみ、です……！」

そういい、差し出されたアズールさんの手を私は握る

すると、魔法の力なのか
一瞬で別の部屋へとワープした

そして

目の前に広がる綺麗な光景を見て
私は言葉を失った

初めて、こんなに綺麗で
自分でも「綺麗だ」と思える光景を目にしたから

「あ、やっと来た〜
　すっげー遅かったじゃん、なにかあったの？」

「いえ、特に何も
　早くベッドに寝転がりましょう」

アズールさんはそう言って
ベッドに寝転がる

その横にフロイドさんがいて………

「はい、いわしちゃんは真ん中ね」

「……え、！？ま、真ん中！？」

「当たり前でしょう、何言ってるんですか」

私がいつ真ん中で寝ると話したのか疑問だが……

きっと遠慮しがちな私のことを思って
少し強引に誘ってきてくれたのかもしれない

私は、二人の元へ
笑って行った

「……失礼します」

「は〜いぎゅ〜〜！」

「こら、フロイド
　クロシェットさんに迷惑ですよ」

二人の間に入った時、
フロイドさんは私を抱きしめた

アズールさんはそれを注意する

その光景に、笑ってしまって

「………楽しいです」

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