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「……シェルーン」
部屋の前に立ちはだかる
大きな体の男の人が
知らない人の名を呼び、僕を見つめる
もしかすると
今さっき考え事をしていた「自分と似た人」の名前だろうか
ここは「なんでしょうか」と言うべきか
…………少しだけ黙っていれば回避されるだろう
「今日はお疲れ様だ
遅くなったが、誕生日プレゼントをあげよう」
「寝させてください」とは言えなかった
そのシェルーンという方が、そんな言葉を言うのだろうかと
何一つ調べきれていなかったからだ
「さあ、中に入れ」
言われなくても中に入るところだ
だが……寝られないとなると話は別だ
この城の中にお母さんはいない
つまり、助けはないという事だ
「……すみません、お父様
私、今すごく眠たくて……」
一か八か、言葉を続けた
男の人、
クロシェットさんのお父さんに怪しまれないか不安だ
「………そうか。それもそうだったな
プレゼントは明日あげよう」
よかった
成功したようだ
「ありがとうございます。お父様」
「いや、いい
おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
部屋のドアを開け、そして閉める
ベッドに横になり、目を瞑る
………お父さんの口から出た
僕にとっては見知らぬ人、シェルーンのことは
明日調べるとしよう
今は、眠りに身を寄せ……………
「……おやすみなさい、クロシェットさん」
貴女も、よく寝られるように。
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猫耳(プロフ) - 更新、頑張ってください!((●´ω`●) (11月14日 21時) (レス) @page2 id: 45a95b1035 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:F . | 作成日時:2023年11月14日 13時