きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ3)

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「入れ替わり」

魔法が使える世界ならおかしくはない状態

そんな状態にジェイドは

焦る？怖がる？

それは………

「まずはこの体の名前やご家族に会わなくては」

慣れているような素振りで、今の状況を理解し

次にとるべき行動を考え、行動する準備を始めた

寝転がっている状態から起き上がり、
近くにおいてあったバッグを手に持ち、この部屋に出ようと足を進めた

―が？

「待って、クロシェットさん
　どこに行くの……？」

姿的に、ここにいる看護師さんだろうか………

きっと、この体の……

クロシェットさんの体調を心配して、だろうか
呼び止めては、質問される

……クロシェットさんの身には、何があるんだろう

いつかこの入れ替わりは終わる

知る必要はないか

「少し、外に」

「ダメでしょう、まだ状態も回復してないというのに……」

その状態、とやらを聞いたほうが良いのだろうか

でも、聞いてしまったら怪しまれる

だからといって、このまま僕が知らないまま
話を進められても、僕はなにも分からず、ここに居続けなければいけない

「……すみません、この体……
　クロシェットさんの体には、一体なにが………？」

「………え？なにを、聞いて……？」

「少々入れ替わりをしてしまいまして……」

「困りました」といつものように本心じゃないことをいっては
眉を下げる

看護師さんらしき人は何が起きているのかわからない

と言ったように、首を傾げる

数秒後

「理解し難いですが……わかりました
　えっと……クロシェットさんは、喘息気味…でして……」

「なるほど……ありがとうございます
　では僕はこれで」

そういい、僕は笑顔でこの部屋に出た

入れ替わった先の事を知り、早く僕の体に出会わなければ

その後は簡単だ
アズールに相談すればいい

対価なしでもきっとどうにかしてくれるだろう

「この方の家に向かうのは、難しそうですね」

そういえば、なんて感じに呟いては

前に進む

歩けば、ここの町について知れそうな気がしたから

そうすれば、賢者の島まで行く事が可能になる

「……あ！！クロシェット……！！」

「……？」

名前を呼ぶ声が聞こえ、声のする方に顔を向ける

その声の主は少し泣いているような、悲しそうな顔をしていた

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