すれちがいパズルゲーム【恐怖コレクター】 (ページ1)

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Ⅰ ページ1

『今はお前達の相手をする暇はないんだ………』

とある町中

一人の、灰色のフードの少年が
目の前に佇む呪いに一言発する

だが、目の前のそれは話を聞かず

少年はそれに取り込まれてしまう…………

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「ここの町にはたしか………」

そう呟き、足音一つ立てずに前に進む

そのスピードは早く、
目的地を明確に把握しているような行動だった

「ん……？」

それからまた数歩ほど歩いた先に

道の角に縮こまって座る男の子がいた

……噂の、灰色のフードの特徴と似ている服に
似ている容姿

フシギがじっと見つめていれば、男の子はこちらを見つめる

すると、すぐに警戒の意を見せていた男の子の目が
光り輝く、憧れる人を見る目に変わった

『かっこいい人！』

「あ、ありがとう……」

言われ慣れていない言葉を
１０歳くらいの子供に言われ、少々照れ気味のフシギ

すると

男の子はその場に立ち、フシギの横に立つ

なにをするのかと思いきや、
ずっと立ち止まったまま

こちらをじ〜っと見ている

「……どうしたんだい？」

『ボク、貴方様についていくことにしたんです！』

「……やめておいた方がいい」

自分の用事に子供を巻き込ませるのはよくない

ましてや
これは都市伝説という、厄介で恐ろしいものを相手にするのだ

フシギは男の子の言ったことを断った

『な、なんでですか…！？ボク、強いです…！』

「それでも、だ
　君、親もいるんだろう？きっと心配する………」

『親、とはなんでしょうか』

フシギはその言葉を聞き、言葉を失った

親という言葉を知らないということは
親はいない……？？

いいや、こんな小さな子供に親がいないなんてことは……

『ボク、いつのまにかここにいたんです
　ずっと、暇してたんです』

「……行く宛はあるのかい？」

『ない、です！』

………事実なようだ

ならば、この子を連れていかないという選択肢は
この時、一瞬で"ダメなもの"と変わった

このまま、この男の子が一人
寂しく居続けるのは考えたくなかったのだ

「……僕についてくるといい」

『本当ですか？』

「ただし、僕の邪魔をしないことだ。いいかい？」

『はい！』

フシギは少し後ろを、
歩くスピードが早いフシギを頑張って追うように走る男の子の体をじっと見る

どこにも、あの呪いのマークはない

なら一体、この子は………？？