第九話 You.side ページ10
学校へ向かう途中の事、たまに視線を感じてしまい、少しだけ怖く感じた。
今日は春とは一緒に行かない。いや、行けない。
姉さんにあんなこと言われたから、いつもより早く家を出た。
案の定、春はまだ家から出ていないみたいで、ホッとした。
急いで教室へ入るけど、生徒は一人もいなかった。
けれど、ミヤジ先生がいらした。読書をなさっていた。
ミヤジ「おや?Aさん、早く来たんですね。」
貴方「ミヤジ先生、おはようございます!いつもより早く起きてしまったので、来ちゃいました!」
ミヤジ「そうなんですね、良い事です。…そういえば、Aさんは、輪廻転生を信じますか?」
突然の事でびっくりした。
真面目そうで、オカルトにはあまり興味が無さそうと思っていたけど、意外だなぁ。
貴方「うーん、私は…信じますかね。もし、大切な人がいなくなったとしても、長生きしていれば、もしかすると、会えるかもしれないってことですよね?それって、とても素敵じゃないですか?」
ミヤジ「…そうですか。確かに、素敵な事ですね。」
先生が納得するような回答が出来てホッとした。それと同時に、少し疑問が残る。
貴方「…あの、お節介かもしれませんけど、先生、大切な人がいなくなってしまったのですか?私で良ければ、相談に乗ります!まだ知り合って日が浅いですけど…それでも、誰かの役に立ちたいので!」
あれ?私、この台詞、どこかで一度言ったっけ?…気のせいか。
そう言うと、先生は悲しい表情を浮かべる。
ミヤジ「…ありがとう、Aさん。でも大丈、もう乗り越えることができたから。」
貴方「それなら良かったです!辛い時は誰かに相談するのが一番ですから!」
ミヤジ「嗚呼、そうだね。」
そろそろ皆が来る頃だから、席へ戻る。私の次に来たのはフルーレ君だった。
フルーレ「お、おはよう、A…さん。」
貴方「あっ!おはよ、フルーレ君!」
フルーレ「そ、そうだ、Aさんに似合いそうな服を考えてきたんだけど、見てくれる?」
頬を赤らめながら少し年季の入ったスケッチブックを渡される。
貴方「えっ!?私の為に?!なんだか悪いなぁ。だけど、ありがとう!どれもとっても可愛いね。フルーレ君、凄いよ!」
中を見てみると、可愛らしいワンピースから、大人っぽいシックなドレスまで、多種多様だった。
こんな才能があるだなんて、凄すぎる!と、とても感心した。
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢野みぃ | 作成日時:2023年12月10日 14時