第六話 You.side ページ7
すぐに校門へ向かうと、案の定、春がいた。
貴方(あ、いた。)「おーい！春〜！一緒に帰らない？
春「うん、ついでに寄り道とかしちゃう？」
貴方「そうする！最近気になってるクレープ屋があるんだよね〜！」
春「そっか、そういえば、友達できそう？」
貴方「あっ、そのことなんだけど、今日ね、仲よくしようって言ってくれた子がいたの！嬉しくて、つい大きな声出しちゃったｴﾍﾍ」
春「そっか、良かったね。俺の方も、仲良くしたいと思う子が見つかったんだ。」
貴方「そうなんだ！仲良くできるといいね！」
春「うん、ありがと。あ、そろそろ着くよ。俺はチョコバナナにしよ。」
貴方「わーい！私は苺！」
放課後は春と過ごすことが多い。共通の話題や最近のことなんか、色々話す。
それがとても楽しい。
新作のクレープはとても甘くておいしかった。
春「あ、A。口にクリームがついてる。」
貴方「ん、どこ？」
春「ふふっ、ここ。」
そう言って、唇近くについたクリームを指で掬ってくれた。そしてそのクリームを口に含んだ。
貴方「っ！？そ、それって、間接キ…」
春「んー？何のことだか。さ、そろそろ暗くなるし帰ろ。」
急な事で驚いてしまったけど、遮られてしまった…
少しだけ意識してしまう自分を恥じてしまっている。
気にしないようにしよう。そう思いながら、自宅へと向かう。
すると、何処からか、視線を感じる。入学式と同じ視線だ。
きっと気のせいだと思い、春とわかれる。
春「それじゃ。また何かあったら言ってね。」
貴方「うん！今日は楽しかった！ありがとね！」
ゆらゆらと手を振ると振り返してくれる。
だけど、家へ入るのは少し憂鬱だった。
両親がまったくやらない家事をしたり、姉の我儘に突き合わされたり。
少し溜息をついて、扉を開ける。
貴方「…ただいま。」
？？「はぁ…はぁ…主様、主様主様…知らない男と一緒に…俺の事をもっと見ていて欲しいのに…早く、手に入れないと…」
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作者名：夢野みぃ | 作成日時：2023年12月10日 14時
